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【油井宇宙飛行士ミッション報告会・子どもの部(東京開催)】好奇心いっぱいの子どもたちの質問に、油井宇宙飛行士が回答!
会場に登場した油井宇宙飛行士(Image by JAXA)
約5か月にわたる国際宇宙ステーション(ISS)長期滞在ミッションを終え、地球に帰還した油井亀美也宇宙飛行士。自身が取り組んだ活動とその成果を多くの方に伝えるため、5月19日にミッション報告会を東京都中野区にて開催しました。2部構成で行われた本イベントのうち、前半の「子どもの部」には、平日夕方からの開催にもかかわらず学校帰りの子どもたちをはじめ多くの来場者が集まり大盛況。報告会の様子はJAXA公式YouTubeでもライブ配信され、宇宙でのリアルな生活事情から子どもたちの素朴な疑問への全力回答まで、油井飛行士から未来の宇宙探査を担う世代へ、夢を直接届ける温かい機会となりました。
ミッション報告会「子どもの部」は16時にスタート。中学生以下を主な対象に、ISS/「きぼう」日本実験棟での活動、宇宙での仕事や生活について、わかりやすく伝える内容で行われました。
ミッション報告会の会場の様子(Image by JAXA)
オープニング
冒頭に、油井宇宙飛行士のISS長期滞在を振り返るダイジェスト映像が放映され、子どもたちの期待が高まったところで油井宇宙飛行士が客席ドアから登場。会場の参加者とYouTubeのライブ配信を視聴している人たちへ挨拶を行いました。
油井宇宙飛行士は、平日でやや遅い時間帯での開催に触れ、「学校からそのまま来てくれた子もいるのでは…」と配慮を示した上で、「皆さん、今日はゆっくり楽しんでいってください!」と呼びかけました。
油井宇宙飛行士による活動報告「ミッション編」
続いて、ISS長期滞在中の活動をビデオ映像で振り返りながらのミッション報告です。油井宇宙飛行士が自らの言葉で内容や感想を語りました。
Crew-11の仲間や打上げ延期の経緯、約14時間のフライトを経てISSに到着した際のエピソードなどを紹介。ISSでは同期の大西卓哉宇宙飛行士が歓迎してくれたことに触れ、「友達と宇宙で再会するというのはなかなかない機会なので非常に嬉しかったです。」と語りました。
また、取り組んだミッションの内容についても詳しく説明。人間の呼吸で排出される二酸化炭素を除去する装置の技術実証、宇宙で農作物を作ることを想定した植物細胞の分裂研究、宇宙船などに使われる素材の安全性に関わる燃焼実験など、将来の宇宙探査に重要な研究活動を行ったことを紹介しました。
中でも、油井宇宙飛行士が熱く語ったのが、ロボットアームを操作して新型宇宙ステーション補給機HTV-X1号機を把持したミッション。10年前の長期滞在でも「こうのとり」の愛称で親しまれた補給機の把持を担当しており、今回もHTV-X1の到着とタイミングが重なったことを「私は運がいい」と語りました。また、たくさんの関係者の努力と支援により実現した初飛行のHTV-X1を無事に把持できたことに感謝しながら、「本当に美しい宇宙船で、金色の鳥のように見えました」と振り返りました。
HTV-X1号機把持ミッションを語る油井宇宙飛行士(Image by JAXA)
油井宇宙飛行士による活動報告「生活編」
技術実証や科学実験、そのための準備やメンテナンスといったミッションの他、宇宙飛行士がISSでどんなふうに過ごしているのか、宇宙での生活についても紹介されました。
まず、宇宙での食事については、補給機で運ばれてくる生鮮食品がとても貴重で、普段、野菜や果物をほとんど食べない自分でもおいしく感じたこと、おいしい宇宙日本食がたくさん到着したおかげで、宇宙滞在中に生じていた体重の減少が止まったことなどを紹介しました。また、歯磨き、髭剃り、入浴などの仕方については、地上と宇宙でどんなふうに違うのか、その理由も交えて説明。さらに、ISSの微小重力環境では、筋肉や骨が衰えてしまうため、毎日2時間必ず運動を行っていたことを紹介しながら「地上では運動するのはあまり好きじゃないんです」とホンネを漏らす一幕もありました。
その他、仕事を終えた後は時間があれば撮影を行い、世界や日本各地の夜景、富士山、東京の街並み、オーロラ、雷、台風、火山活動など多様な現象を記録したことも報告。それらの写真は数十万枚を超え、一部は自身のSNSや防災科学技術研究所や衛星データとのコラボレーション企画のSNS、「Earth Diary」のWebサイトに掲載されていることを伝え、「興味を持った方はぜひ見てください!」と呼びかけました。
自ら撮影した写真について語る油井宇宙飛行士(Image by JAXA)
質問コーナー
最後は参加者お待ちかねのプログラム。油井宇宙飛行士に直接、疑問に答えてもらえる質問コーナーです。油井宇宙飛行士本人も「私もいちばん楽しみにしていました!」と前のめりで臨みました。その一部をご紹介します。
-寝る時は、どうやって寝ていたのですか?
私はクルークォーターという箱型のプライベート空間に寝袋を1か所だけ紐で結んで、プカプカ浮きながら寝ていました。地上でずっと寝ていると背中が痛くなってきたりしますが、宇宙ではそういうことは全然ありません。寝心地がとても良く、何個か目覚まし時計をかけておかないと寝過ごしてしまうくらいです。面白いのは、宇宙に行ってすぐの頃は地上と同じ重力がある夢をみるのですが、宇宙にいる期間が長くなってくると無重力の夢が増えてくることです。
-宇宙飛行士になろうと思ったきっかけは何ですか?
私が生まれたのは川上村という村で、夜にはきれいなお星様がたくさん見えます。そんな景色を見て、とてもきれいだな、あの星の先の大宇宙には何があるんだろう、宇宙の果てはどこにあるんだろう…と考えるようになったのがきっかけで、将来は宇宙飛行士になって宇宙に行くか、天文学者になって宇宙の謎を解き明かしたいと思うようになりました。それが小学校3年生ぐらいのときで、それから約35年かけて宇宙飛行になる夢を叶えました。
子どもたちが競うように手を挙げた様子(Image by JAXA)
-今回の滞在で、いちばん楽しかったことは何ですか?
楽しかったことはたくさんあるのですが、仕事が終わって、宇宙から写真を撮っているときがとても楽しかったです。日本の写真を撮っているときは、みんながどんな生活をしているかな…と想像しながら撮っていました。いちばんうれしかったのは、オーロラの中を流れ星が飛んだとき、それをしっかりと映像に撮ることができたこと。みんなにこれ見せてあげよう!みんなの願いが叶うといいな!と思いながら撮りました。
-宇宙で病気になったらどうするのですか?
宇宙に行ってから病気にならないように、宇宙飛行士はたくさんのチェックを受け、虫歯も全部直してから宇宙に行きます。それでも宇宙で具合が悪くなる可能性はあるので、それぞれの宇宙飛行士は緊急事態に対処できるように人工呼吸や心臓マッサージなどの訓練を受けています。その他、たくさんの薬があらかじめISSに送ってあり、地上のお医者さんに相談するとこの場所にあるこの薬を飲んでくださいという指示があるので、その薬を飲んで直したりもします。
客席へ降り、子どもたちの目の前で質問に答える油井宇宙飛行士(Image by JAXA)
油井宇宙飛行士による挨拶
大いに盛り上がった質問コーナーの最後、油井宇宙飛行士は参加者へ向けてメッセージを送りました。学校帰りに駆けつけてくれた子どもたちに「とてもエネルギッシュで、私がパワーをいただきました」と感謝を伝え、「たくさんの人が宇宙に行ける時代を築けるように頑張っていきたい」と力強く語りました。
そして最後には、「明るい未来を信じて、日々できることを一生懸命やっていきましょう」と熱いエールを送りました。子どもたちの宇宙への好奇心に応え、未来への希望に溢れた報告会は、こうして大盛況のうちに幕を閉じました。
なお、本報告会の様子はYouTubeにてアーカイブ配信を行っています。ぜひご覧ください。
油井宇宙飛行士ミッション報告会【子どもの部】(1時間06分30秒)
関連リンク
- 【油井宇宙飛行士ミッション報告会(東京開催)】大人の部を開催しました!
- 地球を共に感じよう(Earth Diary)
- 数字で見るきぼう【明るい未来編】
- 第73/74次ISS長期滞在ミッション 滞在記録・活動成果
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