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油井宇宙飛行士活動レポート&ニュース
油井宇宙飛行士活動レポート&ニュース
2026.01.28

油井宇宙飛行士 軌道上活動レポート Vol.10(12/8〜12/21)

この期間では、ソユーズMS-27宇宙船(73S)が国際宇宙ステーション(ISS)を離れ、地球へ帰還しました。これによりISSは7人体制に戻り、「きぼう」日本実験棟でも実験装置の整備やメンテナンスが進められています。

それでは、この期間に油井亀美也宇宙飛行士が行った活動をご紹介します。

「きぼう」日本実験棟で写真撮影する7名のクルーメンバー(Image by JAXA/NASA)

12月8日、油井宇宙飛行士が米国のマイク・フィンク宇宙飛行士と協力し、「将来有⼈宇宙探査に向けた⼆酸化炭素除去の軌道上技術実証(JEM Demonstration of CO2 Removal System: DRCS)」実験に使われる二酸化炭素除去システムのDRCS (Demonstration of Removing Carbon-dioxide System)を流体実験ラック(Ryutaiラック)に設置しました。

この日から「火災安全性向上に向けた固体材料の燃焼現象に対する重力影響の評価(Fundamental Research on International Standard of Fire Safety in Space -base for safety of future manned mission: FLARE)」新たな実験の準備も始まりました。FLAREは固体燃焼実験装置(Solid Combustion Experiment Module: SCEM)を使用して、微小重力空間の「きぼう」で様々な素材の燃焼実験を行うものです。油井宇宙飛行士は、SCEMの試料を電線試料に交換し、新たな実験をする準備をしました。(油井宇宙飛行士 X

12月9日10時41分、ロシアのセルゲイ・リジコフ宇宙飛行士、アレクセイ・ズブリツキー宇宙飛行士と米国のジョニー・キム宇宙飛行士が搭乗したソユーズMS-27宇宙船(73S)がISSから離脱し、地球に向かいました。12月1日からISSの運用史上、初めて8つのドッキングポートがすべて埋まっていましたが、73Sの帰還により、この珍しい状態が終わりました。そして、ISSクルーは7名体制になっています。73Sは、この日の14時03分にカザフスタン共和国の陸地へ無事に着陸しました。油井宇宙飛行士のSNSで、地球に帰還する73Sの様子を見ることができます。(油井宇宙飛行士 X

12月10日、地上スタッフが、多目的実験ラック(Multi-purpose Small Payload Rack: MSPR)とSCEMのソフトウェア設定やカメラ機能の確認をしました。

この日、油井宇宙飛行士は、DRCSの取り付け作業の一環として、装置や周囲を保護するための養生作業をしました。さらに、11日にDRCSとRyutaiラックを接続させるケーブル類をつなぎました。これにより、DRCSへ電力などが供給されるようになり、取り付け作業が完了しました。(油井宇宙飛行士 X

12月11日から12日にかけて、船外実験の準備と「きぼう」のメンテナンス作業が行われました。

まず、NASAの21回目の材料曝露実験(Materials ISS Experiment: MISSE)の準備として、「きぼう」エアロックのスライドテーブルにJOTI(JEM ORU Transfer Interface)やMISSEの実験装置を取り付けました。JOTIはスライドテーブルに実験装置を固定して、安全に船外へ運ぶためのアダプターです。

そして、地上のスタッフと協力して、「きぼう」の冷却水を循環させることで熱を制御する能動熱制御系(Active Thermal Control System: ATCS)のメンテナンス作業をしました。

12月15日、油井宇宙飛行士は第6回「きぼう」ロボットプログラミング競技会(6th Kibo-RPC)のリハーサル準備を行い、翌16日に地上のスタッフと協力してテクニカルリハーサルを実施しました。

12月17日、地上のスタッフと協力し、FLARE実験で使用するSCEMの安全確認と機能チェックをしました。

さらに、この日は「きぼう」と地上をつなぎ、油井宇宙飛行士が日本のニュース番組の取材を受けました。キャスターのインタビューに答えるだけでなく、「きぼう」の船内ツアーを行い、窓からの風景も紹介しました。この模様は12月25日に放送されました。

また、この取材の様子をより詳しく収録したロングバージョンの映像は、ニュース番組のYouTubeアカウントで配信されています。

12月18日、遺伝子機能発光イメージング解析装置(TELE-LUMINESCENCE ANALYSIS SYSTEM: TELLAS)の定期メンテナンスとして、油井宇宙飛行士がTELLASを設置し、セットアップ作業をしました。その後、地上からソフトウェアの更新や装置の校正を行いました。TELLASは、発光タンパクを組み込んだタンパク質の動きを動物が生きた状態のままで観察できる装置です。微小重力環境にいる動物の遺伝子発現の様子を生きたまま、リアルタイムで観察できるとても貴重な装置です。

この日、油井宇宙飛行士が「きぼう」の定期メンテナンスの一環として、空気循環装置の吸気口を掃除しました。また、地上のスタッフがDRCSの基本性能確認を行いました。

作業を見守る地上スタッフの様子(Image by JAXA)

12月19日、JAXAアカデミーのオンラインイベント「紙飛行機×無重力=? 飛行力学から考えよう!」に油井宇宙飛行士が「きぼう」から出演しました。油井宇宙飛行士は、「きぼう」船内で紙飛行機を飛ばす実験を行い、興味深い飛行結果が得られました。さらに、その飛行の様子については、地上の航空部門の研究者が解説を行い、無重力環境ならではの飛び方の特徴を紹介しました。

油井宇宙飛行士は、ロストサンプルクリーナーの延長ノズルの準備やTELLASの校正用光源の設置といった作業も実施しています。校正用光源は、地上スタッフの作業終了後に油井宇宙飛行士が取り外しました。

今回のベストショットは、アジアから日本上空にかけての夜景を撮影したタイムラプス動画です。宇宙から見る地球はいろいろな顔を見せてくれます。陸地の街明かりだけでなく、漁船からの灯もあり、陸と海の境目がわからない幻想的な景色が広がっていました。(油井宇宙飛行士 X

今回のレポートは以上です。
次回は1月末を予定しています。どうぞお楽しみに!

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