野口宇宙飛行士ウィークリーレポート Vol.5(12/11~12/17)
野口宇宙飛行士は先週に引き続き、微小重力環境を活用した立体臓器創出技術の開発(Space Organogenesis)の実験を地上と連携して行い、軌道上の運用は無事完了しました。(Space Organogenesis については、Vol.4のウィークリーレポートをご覧ください)
高品質タンパク質結晶生成実験は継続して実施しています。これは、JAXAがこれまでに獲得・蓄積してきた結晶生成技術で高品質なタンパク質結晶を「きぼう」で生成し、その成果を社会に還元することを目的とした実験です。(高品質タンパク質結晶生成実験については、Vol.2のウィークリーレポートをご覧ください)
また船外活動に向けた準備の一環として、NASAの宇宙飛行士と共に、船外活動をする際の出入り口となるクエスト(エアロック)にて、ドラゴン補給船運用21号機(SpX-21)で運ばれた宇宙服などの整備を行いました。
さらに、「きぼう」ロボットアームおよびエアロックを使って船内に持ち込まれた中型曝露実験アダプタ(i-SEEP)から運用が終了した超小型衛星搭載用地球観測カメラ(iSIM)装置を取り外し、次世代ハイビジョンカメラ(HDTV-EF2)や、追加実証実験を行うため小型衛星光通信実験装置(SOLISS)を再度取り付ける作業を行いました。
「きぼう」の船外環境を利用したiSIMの技術実証は、スペインの宇宙ベンチャーによる超小型衛星コンステレーションに向けた地球観測カメラの技術実証ミッションで、船外利用における初の海外ユーザとなり、地球低軌道の利用を促進する第一歩となりました。
i-SEEPに取り付けたHDTV-EF2は、災害発生時自然災害の速報発信や定点観測のほか民間利用などでの活用を目指しており、またSOLISSは今後の宇宙空間における地球周回軌道を始めとした衛星間や地上との超高速データ通信や、大容量リアルタイムデータ通信の実現や汎用化などが期待されています。
未来に繋がる様々なミッションを遂行している野口宇宙飛行士に、今後も引続きご注目下さい!