若田宇宙飛行士 軌道上活動レポート Vol.10(2/4〜2/17)
若田宇宙飛行士の軌道上活動レポートは10回目を迎えました。軌道上滞在は130日を超え、国際宇宙ステーション(ISS)での若田宇宙飛行士の活動も大詰めを迎えています。第10回のレポート期間中、若田宇宙飛行士は軌道上から地上と交信し、皆さんと交流するイベントがたくさんありました。それでは、第10回目の若田宇宙飛行士軌道上活動レポートをお届けします。
2月7日、静電浮遊炉(Electrostatic Levitation Furnace: ELF)の試料ホルダとカートリッジを交換しました。ELFは、静電気力で実験試料を宙に浮かせた状態で高温に熱して融かすことができる装置です。容器を使用しないため、容器由来の不純物の影響もなく、融点が非常に高い物質でも広い温度領域で熱物性の値(密度・粘性・表面張力)などを精密に測定できます。今回交換した試料ホルダには、3種類の実験試料が入っており、それぞれ、レーザー照射を利用したスペースデブリ除去の可能性の検証や、再生可能エネルギーの貯蔵材料の開発に向けた合金系蓄熱材料の物性測定、鉄-銅合金の過冷却液体を使って、液体・固体の分離過程や凝固過程の温度変化を精密に追跡する実験を行います。
2月12日、JAXA宇宙教育センターが主催するJAXAアカデミーキッズ「宇宙をみつめて、地球をみつめて」第4回の成果発表会が筑波宇宙センターで実施されました。この成果発表会に宇宙から若田宇宙飛行士が参加し、子どもたちが作り上げた30年後の宇宙探査計画の発表を聞いたり、質問に答えたりと、楽しく過ごしました。
(JAXA宇宙教育センターTwitter @spaceedu_infoより)
2月15日、月探査プログラム等に携わるアルテミス世代の宇宙飛行士を応援するプロジェクトである「Hello! EXPLORERS PROJECT」のスペシャルイベントを収録しました。若田宇宙飛行士は、第3部に軌道上から出演し、歌手・タレントの中川翔子さん、油井亀美也宇宙飛行士と交信しました。その様子は、2月16日からJAXA YouTubeチャンネルで公開しておりますので、どうぞご覧ください。
2月17日、若田宇宙飛行士の軌道上記者会見が実施されました。その模様は、トピックスとして、こちらに詳しく公開していますので、ぜひ、そちらもご覧ください。
最後に、若田宇宙飛行士のSNS投稿の中から写真を1枚紹介します。
「Magnificent view of Mt. Kilimanjaro just before sunset earlier today!(訳:日没前の、壮大なキリマンジャロ山の景色!)」(若田宇宙飛行士Twitter)
若田宇宙飛行士の軌道上での活動もラストスパートの時期に入ってきました。引き続き、応援をよろしくお願いします。
今回のレポートはここまでです。
次回のレポートは3月9日(木)頃を予定しています。
※本文中の日時は全て日本時間