Reportレポート若田宇宙飛行士の活動レポート 21

若田宇宙飛行士 軌道上活動レポート Vol.8(1/7〜1/20)

ドラゴン補給船運用26号機(SpX-26)が、1月10日7時05分(日本時間)に国際宇宙ステーション(ISS)から分離し、翌11日19時19分(日本時間)に米国フロリダ沖へ着水しました。船内には「きぼう」日本実験棟で実施した実験サンプルもたくさん搭載されています。回収されたサンプルが、このあと地上で詳しく解析され、どのような発見があるのか楽しみです。

43日間の補給ミッション後、ISSから分離した直後のドラゴン補給船運用26号機(SpX-26)(Image by JAXA/NASA)

また、この期間の最終日には、若田宇宙飛行士初の船外活動も行われました!では、第8回目の若田宇宙飛行士軌道上活動レポートをお届けします。

1月9日、軌道上で結晶生成した高品質タンパク質結晶生成実験(Protein Crystal Growth: PCG)のサンプルを輸送用の容器や装置に入れ、ドラゴン補給船運用26号機(SpX-26)に搭載しました。

1月10日、ライブイメージングシステム(Confocal Space Microscopy: COSMIC)の落射蛍光LED光源(蛍光物質を観察する落射蛍光顕微鏡に使用する光源)と複数のケーブルを交換し、地上から機能確認を実施しました。

1月12日、次世代水再生実証システム(JEM Water Recovery System: JWRS)の実験再開に向け、水再生装置のチェックをしました。

1月13日、若田宇宙飛行士は筑波宇宙センターの「きぼう」運用管制室と接続し、定例のオンライン会議を実施しました。この日の会議では今回の滞在で100日の節目を迎えたお祝いをしました。
また、13日、16日、20日には、静電浮遊炉(Electrostatic Levitation Furnace: ELF)を使用して、前回レポートで試料ホルダ取り付け作業についてご紹介した「高速炉シビアアクシデント解析のための制御棒材の共晶溶融物質の熱物性(B4C-SS eutectic)」実験が、地上からのコマンドにより実施されています。

1月17日、アジアントライゼロG(Asian Try Zero-G)を実施しました。これは、軌道上での簡易実験アイデアをアジア・太平洋地域の青少年から募集し、選定された実験をISS長期滞在の宇宙飛行士が「きぼう」で行うプログラムです。今年度は、日本を含む5か国・地域から6つの実験が選定され、その実験を提案した学生たちが地上から見守る中、若田宇宙飛行士がISS上で実験を行いました。
また、同日は、次世代水再生実証システム(JWRS)のチェックもしています。

アジアントライゼロG 2022 にて、日本チームの実験を行う若田宇宙飛行士(Image by JAXA/NASA)

1月20日、22時14分頃から若田宇宙飛行士が5回目の有人宇宙活動にして、初めての船外活動(Extravehicular activity: EVA)に挑みました。今回のEVAでは、新型太陽電池アレイ(ISS Roll-Out Solar Array: IROSA)を設置するための架台を取り付けました。EVAは翌21日5時35分(日本時間)まで7時間21分にわたって実施されました。5回目の宇宙飛行にして初めての船外活動は、若田宇宙飛行士にとって特別な感慨をもたらしたことでしょう。船外活動の最後には、日本語で「今日のEVA実施に向けてご支援頂いた皆さん本当にありがとうございました。今日、宇宙ステーションの一番端で仕事をしましたけれども、その先に明るく輝いている月がとても印象的でした。私たちを新たな有人宇宙探査に導いてくれるように見えました。」とEVA実現にむけた尽力への感謝と、月への思いを語っていました。

船外活動(EVA)を行う若田宇宙飛行士(Image by JAXA/NASA)

当日の模様をダイジェスト映像にまとめ、YouTubeで公開しています。
ぜひ、ご覧ください。

URL:https://youtu.be/HP0PugXmKc4

今回のレポートはここまでです。
次回のレポートは2月9日(木)頃を予定しています。

※本文中の日時は全て日本時間

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