日本人最多5回の宇宙飛行で
日本人の最長宇宙滞在記録を更新
Roscosmos Cosmonaut
アンナ・キキナ
NASA Astronaut
ジョシュ・カサダ
NASA Astronaut
ニコール・マン
JAXA Astronaut
若田 光一
思いやる。チームは強くなる。
日本人最多5回の宇宙飛行で
日本人の最長宇宙滞在記録を更新
Roscosmos Cosmonaut
アンナ・キキナ
NASA Astronaut
ジョシュ・カサダ
NASA Astronaut
ニコール・マン
JAXA Astronaut
若田 光一
2023年3月12日午前11時2分(日本時間)
帰還時
日本人最長第1位
宇宙滞在日数
(累計)504日18時間35分
滞在回数、世界第3位タイ
ISS滞在日数
(累計)482日15時間57分
宇宙飛行回数、世界第10位タイ
Crew-5
ミッション飛行日数157日10時間02分
ISS計画における自身初EVAの世界最高齢
船外活動回数2回
若田宇宙飛行士は、自身初となる船外活動(EVA)を2023年1月20日※に、続いて2月2日※も行った。ともに初のEVAとなる、NASAのニコール・マン宇宙飛行士とペアを組み、1回目はリード役となるEV1を、2回目はEV2を担当した。2回のEVAで行った作業は、主に新型太陽電池アレイ(ISS Roll-Out Solar Array:IROSA)を設置するための架台取り付けで、2030年までの運用にむけて、ISSに十分な電力を供給するために不可欠な作業。
2回のEVA後、若田宇宙飛行士は「ISSは漆黒の宇宙の中でとても輝いて見えました。人類のかけがえのない宇宙の研究施設の『きぼう』と可能性を象徴しているような輝きで、国際協力を更に進め、『和の心』を持ってISSを最大限に活用して利用成果を創出していきましょう」と語った。
※日付はJSTで記載
詳しくは活動レポートをご覧ください
2023年1月20日~21日 若田宇宙飛行士船外活動(EVA)ダイジェスト
若田宇宙飛行士 軌道上活動レポート Vol.9(1/21〜2/3)
宇宙の微小重力環境が引き起こす体の変化は、寝たきりをはじめ高齢者が抱える骨や筋の萎縮、代謝不全など、様々な問題と類似しているため、微小重力環境を利用することで、加齢に伴う種々の疾患(廃用性委縮※、神経・筋変性疾患、ミトコンドリアの不全など)の原因や発症メカニズムなど、疾患の分子基盤を解明することに繋がると期待される。
※筋肉を長期間使用しないことによる委縮
若田宇宙飛行士は、細胞培養装置追加実験エリア(Cell Biology Experiment Facility-Left:CBEF-L)の1G(人工重力発生機能を使用)およびμG(微小重力環境下)に、モデル生物(線虫)を設置し、培養を開始。また並行して、地上の研究者らと連携しμG下で線虫の運動をライブイメージングシステム(Confocal Space Microscopy: COSMIC)で観察した。実験終了後の試料の化学固定や冷凍庫保管など地上回収に向けた作業も行った。
詳しくは関連ページをご覧ください
モデル生物「線虫」を用いた「きぼう」でのライフサイエンス実験「Neural Integration System」を行いました
若田宇宙飛行士滞在中に、合計6件の実験が行われた。比重差による対流の無い環境下で鉄-銅合金の過冷却液体の液相-液相分離を発生させ、その分離過程や凝固過程の温度変化を精密に追跡する「過冷却液体合金の分相と多重合金球形成過程の解明(Multi shell sphere)」など、微小重力下である「きぼう」のELFでしか実現できない実験が行われた。また、日米の協力プログラム(JP-US OP3※)に基づく米国の実験「Round Robin」を行うなど、国際協力にも貢献している。
若田宇宙飛行士は、試料ホルダや試料カートリッジの交換の他、機能向上のため、試料の溶融・凝固状態を観察する高速度カメラの取り付け作業などを行った。
※Japan-U.S. Open Platform Partnership Program (JP-US OP3)
詳しくは関連ページをご覧ください
過冷却液体合金の分相と多重合金球形成過程の解明
「きぼう」での技術実証により、地上では模擬できない微小重力下における水再生機能を検証し、将来の有人宇宙探査に繋がる技術を獲得する。模擬尿を処理し飲料水品質の水に浄化再生するしくみ。イオン交換、電気分解、電気透析の技術を使うことで、尿中の成分を分解除去する。これまでは、一部の機能を実証していたところ、若田宇宙飛行士滞在中に、初めて水再生のすべての工程を実施することに成功、軌道上での水再生実証が可能となった。技術実証を通して得られた成果は、現在のISSのシステムより小型・低電力・高再生率・メンテナンス性を向上させた次世代型水再生システムの開発につなげる。
若田宇宙飛行士は、実験装置の取り付け、実験開始準備などを担当した。
詳しくは関連ページをご覧ください
次世代水再生実証システム(JEM Water Recovery System : JWRS)
与圧ローバ開発研究に向けたJAXAのデータ取得ミッション
将来の⽉や⽕星表⾯での有⼈探査活動においては、有⼈与圧ローバをはじめ、推薬プラント、離着陸機や環境制御・⽣命維持システムなど、液体を使⽤するシステムが多くあるが、低重⼒環境下(⽉:1/6Gや⽕星:1/3G)では液体挙動が地球上とは異なる。この実験では、月の低重力を模擬できる人工重力発生装置を持つ、細胞培養装置追加実験エリア(CBEF-L)を使用し、1G以下の低重⼒環境下で液体がどのような挙動を⽰すかを観測し、将来の機器設計にフィードバックする。また、将来、月・火星探査に参入が期待される民間との連携や民生品活用の拡大に役立つと期待される。
若田宇宙飛行士は、実験装置のセットアップ、実験開始操作などを行った。
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CBEFを用いた低重力環境下における液体挙動に関するデータ取得(Liquid Behavior in Partial G Environment: LBPGE)
宇宙での火災安全性の確保に貢献
固体燃焼実験装置を使用し微小重力下での固体材料の燃焼限界酸素濃度等のデータを取得。地球低軌道のみならず、将来有人探査に不可欠な、宇宙での火災安全性の確保に貢献した。
若田宇宙飛行士は、実験終了後の装置の取り外し、他実験への入れ替え等の作業を担当。
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火災安全性向上に向けた固体材料の燃焼現象に対する重力影響の評価(Flammability Limits at Reduced Gravity Experiment: FLARE)
アジア・太平洋地域宇宙機関会議(Asia-Pacific Regional Space Agency Forum:APRSAF)のKibo-ABCイニシアチブにおける多国参加型ミッションの1つで、国際宇宙ステーション(ISS)・「きぼう」日本実験棟のアジア利用拡大及び人材育成としてのSDGsへの貢献を目的として、アジア・太平洋地域の青少年を対象とした国際協力プロジェクト。8つの国と地域から前回(169件361人)を大幅に上回る201件480人の応募があり、人材育成、SDGsへの貢献が拡大。
若田宇宙飛行士は、その中から選定された6つのテーマについて、軌道上で実験を行った。テーマを提案したアジアの国・地域の学生たちは、リアルタイムでその様子を見守った。
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アジアントライゼロG 2022 実験テーマ決定
次世代人材育成と「きぼう」アジア利用拡大をめざす
ISSの船内ドローンである、JAXAのInt-BallとNASAのAstrobeeのプログラミングをすることで、さまざまな課題を解決する教育プログラム。NASAとの協力により実施。第3回では、 Astrobeeを使用し、与えられた課題をクリアしながら、ISSクルーにミッション完了を音声で報告するまでの時間や課題対応力について競った。今回初めて、Kibo-RPC参加国・地域以外の学生も参加できるWorld Wide Team制度を導入、域外からの13チームを合わせ、前回(11か国・地域から286チーム905人)を大きく上回る12か国・地域から351チーム1431人が参加。各国での予選を経て、軌道上決勝大会に挑んだ。
若田宇宙飛行士は、決勝進出の10チームの試技を軌道上で見守り、ミッション完了報告を受け取って、各チームにメッセージを送った。
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第3回「きぼう」ロボットプログラミング競技会 軌道上決勝大会の結果報告
ISSのモジュールで唯一、リモート制御のエアロックとロボットアームの両方をあわせ持つ「きぼう」日本実験棟の機能を活用し、ISSから超小型衛星を軌道に乗せるミッション。民間事業者を通じた超小型衛星や、国際協力に資する超小型衛星等を放出した。若田宇宙飛行士滞在中に2回の放出が行われ、ウガンダ・ジンバブエ初の衛星や、国連宇宙部との連携プログラム「KiboCUBE」で選定されたインドネシアのスーリヤ大の超小型衛星等合計7基の超小型衛星が放出された。打上げ手段をまだ持たない国の宇宙初参画やビジネス利用を実現している。
若田宇宙飛行士は、超小型衛星が格納された放出機構のエアロック取り付け作業、放出衛星の写真撮影などを行った。
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「きぼう」から超小型衛星4機放出に成功!
「きぼう」から超小型衛星3機放出に成功!
中型曝露実験アダプタ(i-SEEP)とは、「きぼう」船外実験ポートに取りつけ、実験装置を最大2機搭載することが可能な実験プラットフォーム。その拡張機能として、CubeSatサイズの実験装置を搭載することができる小型ペイロード搭載支援装置(Small Payload Support Equipment: SPySE)を開発、「全固体電池」などの実証実験が始まっている。さらに、SPySE搭載用の簡易材料曝露実験ブラケット(Exposed Experiment Bracket Attached on I-SEEP:ExBAS)を用いた事業者による材料曝露実験を開始、サンプルを回収するなど船外利用は大きく広がりを見せている。
若田宇宙飛行士は、全固体電池やExBASの船内搬入、取付・取り外しや、全固体電池への充電作業を担当した。
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中型曝露実験アダプタ(i-SEEP)による船外利用
JAXAと日立造船との共同研究 世界初、宇宙での全固体リチウムイオン電池の充放電機能を確認
宇宙と地上両方の課題を解決する生活用品をISSに搭載!
宇宙と地上に共通する課題を解決するアイデアを企業等から募集し、選ばれたアイデアを宇宙仕様で開発していただき、9品の生活用品をISS搭載に初搭載した。
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宇宙での生活用品
日本の味を宇宙へ!
若田宇宙飛行士搭乗中に初めて搭載される宇宙日本食とPre宇宙日本食は合わせて6種(うち2種がPre宇宙食)。日本人宇宙飛行士のパフォーマンス向上につながった。
若田宇宙飛行士向けには合計40種の宇宙食が搭載された。
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宇宙日本食
ポスター・等身大パネル・プレスキットをダウンロードいただけます。