reportレポート野口宇宙飛行士の活動レポート 05

2020.11.09

打上げ間近!コロナ禍での訓練を野口宇宙飛行士の言葉とともに振り返る

クルードラゴン宇宙船(Crew-1)の打上げ日が近づく中、野口聡一宇宙飛行士がNASAケネディ宇宙センター(KSC)に到着しました。野口宇宙飛行士はこの秋、NASAやSpaceX社の運用管制官と共にCrew-1の打上げおよび国際宇宙ステーション(ISS)へのアプローチからドッキングまでのシミュレーション訓練を行いました。

コロナ禍での訓練について野口宇宙飛行士は、「NASA管理下で厳しい行動制約を受けているが、クルードラゴン自体はデジタルな対応になっており、ロサンゼルスにいるSpaceX社のインストラクターが遠隔で訓練をサポート出来ているためリモート訓練に向いている。ほぼ100%の訓練効果を得られていると思う。」と語っています。

打上げに関するJAXAオンライン会見の野口宇宙飛行士(2020年9月30日)(出典:JAXA)

今回のミッションに向けた訓練期間中にはSpaceX社も様々な困難に直面していた時期がありましたが、クルーは宇宙機のシステムについて理解を深め、運用者として必要な技能の獲得など出来る事に集中し、自分たちの行動が少しでも状況改善に寄与できればという考えで訓練をこなしてきたという事です。

クルードラゴン宇宙船(Crew-1)クルー記者会見に臨む野口宇宙飛行士ら(出典:JAXA/NASA)

クルードラゴン宇宙船(Crew-1)クルー(出典:JAXA/NASA)

クルーによって宇宙船は『Resilience』と名付けられました。
この言葉は困難な状況から立ち上がる強靭性や弾性と訳され、回復力・自己治癒能力というニュアンスで使われており、コロナ禍という困難な状況を回復させるというクルー一同の願いが込められています。「4人それぞれが各人なりの挫折を経験し、また困難な状況においても改善に至る道を模索しながらここまで来たので、半年間のミッションの中で困難に当たったときにはそれぞれのアプローチで解決して、チームとしての困難な状況に打ち勝つ力に繋げていきたい。」と野口宇宙飛行士は語っていました。

バックグラウンドも出身地も違う4名の宇宙飛行士。それぞれの経験を活かして挑むミッションにご期待下さい!