Reportレポート星出宇宙飛行士の活動レポート50

星出宇宙飛行士、帰国記者会見

11月9日に198日間の国際宇宙ステーション(ISS)長期滞在から無事帰還し、一時帰国中の星出宇宙飛行士が帰国記者会見を行いました!

帰国記者会見に臨む星出宇宙飛行士
帰国記者会見に臨む星出宇宙飛行士 ©︎JAXA

冒頭で、星出宇宙飛行士ミッションダイジェスト映像を上映、星出宇宙飛行士は「今回のミッションは、夢は実現できるというテーマで臨んできました。滞在期間中、約5ヶ月間は船長として軌道上にいる7人の宇宙飛行士と地上チームとスクラムを組んでミッションを行えたと実感しています」と今回のミッションを振り返りました。
記者からの質問も多数寄せられました。その一部をご紹介します。
「ISSはまだまだ使えるとおっしゃっていましたが、実際どのあたりでそう感じますか?」という質問に対しては、「実験自体の分野・アイディアが昔に比べて広がっていること、また、ISSは時間が経って古くなっている一方で、中身にはどんどん新しい技術が持ち込まれアップグレードされていることを感じました。こういったインフラの整備も行われより多くの方々に使っていただけるようになってきているのではないかと思います。また、民間の活動も活発化し、新しいアイディアもどんどん投入され、宇宙活動の幅が広がっていくと思っています」と回答。
さらに星出宇宙飛行士は「ISSも今までのノウハウが蓄積され、今の運用に繋がっているので、まずは色々な装置を持って行き試してみることが大事。将来の宇宙探査に向けての技術実証をISSで行うことは非常に大切。そうして実証し、宇宙探査に臨めればと思っています」と、ISSはアルテミス計画などの探査で必要になる新技術の実証の場としても価値があることにも言及しました。

星出宇宙飛行士帰国記者会見の様子
星出宇宙飛行士帰国記者会見の様子 ©︎JAXA

「船長という経験を経て、これまでの通常クルーだったときとの違いはありましたか?また、日本人ならではのリーダーシップの取り方があればお伺いしたいです」という質問に対しては、「これまでいろんなコマンダー(船長)のやり方を見て学んできて、今回は自分なりのコマンダーをやらせていただきました。今回は経験豊富な宇宙飛行士ばかりのチームだったので、自分があれこれ言わずとも自分の仕事もやるし他の人が困っていたら自ら動いて助けるような素晴らしいチームでした。そのため、このチームに関しては牽引していくというよりは全体の環境を整えるという観点で臨みました。(中略)日本がリーダーシップをとっていくには、自分の長所や特徴を持って打ち出していくというのは宇宙飛行士としても国としても大事なんじゃないかと思います」と、今後の日本のリーダーシップについても触れました。

星出宇宙飛行士帰国記者会見の様子
星出宇宙飛行士帰国記者会見の様子 ©︎JAXA

また、リハビリの状況について問われた際には「帰還して45日間しっかりリハビリを行ったので体力的には何ら問題ないところまで来ています。筋力は問題なかったが、三半規管・バランス感覚が弱っている感じがしました。前回に比べてそこの戻りが悪かったのですが決して歳のせいではなく(笑)、滞在日数の長さが影響しているのではないかと思っています」とユーモアを交えつつ回答。
現在募集が行われている宇宙飛行士候補生について質問された際には、「新しい仲間が増えることにワクワクしています。他国でも新しい代が入ると活気が出るというので、非常に楽しみ。すでにいろんな方に応募していただいているようですので、宇宙にチャレンジしてみたい方はぜひ応募していただければと思います」と未来の宇宙飛行士誕生への期待に表情を緩ませました。

星出宇宙飛行士帰国記者会見の様子
星出宇宙飛行士帰国記者会見の様子 ©︎JAXA

記者会見の模様は、YouTubeでライブ配信されました。見逃した方は、こちらでアーカイブ配信されていますので、ぜひご覧ください。
また、今月は星出宇宙飛行士のミッション報告会の開催も予定しております。詳しくはこちらからご確認ください。
星出宇宙飛行士の活動に今後もご注目ください!

帰還に関するレポートはこちらをご覧ください。

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