Reportレポート星出宇宙飛行士の活動レポート41

星出彰彦宇宙飛行士、軌道上記者会見にてこれまでの活動を振り返る

10月28日、国際宇宙ステーション(ISS)長期滞在中の星出宇宙飛行士が軌道上記者会見に臨みました。

冒頭、星出宇宙飛行士は「振り返れば6か月の間、最初の5か月ほどはISSの船長を務めたが、本当に色々なことがあった。船外活動の実施や新しいロシアのモジュールが来たり、いろいろな宇宙船が行ったり来たり、多種多様な実験など、軌道上の7人と地上の世界各国にある管制チームと一緒になり、色んなことができたと感じる。あと少しで地球に帰還するが、若干名残惜しい気もする。次に確実に繋げられるように、残りのミッションも全力でこなしたい。」と語りました。

軌道上記者会見に臨む星出宇宙飛行士の様子
軌道上記者会見に臨む星出宇宙飛行士の様子 ©︎JAXA/NASA

その後、記者との質疑応答が行われ、「日本人で2番目となるISS船長を全うされたが、その中で最も印象に残っていること、特に苦労したこと、ワンチームになるために心掛けたことは?」という質問に対して、「正直、船長らしいことは役割を決めるくらいで、優秀で経験豊富なクルーそれぞれがチームの仲での役割を認識して動いてくれたと思う。船長としてというより、この長期滞在で印象に残っていることは、みんなでよく笑ったこと。食事や仕事など、いろんな場面においてみんなでよく笑い合ったことが非常に思い出に残っている。船長として心掛けたことはコミュニケーション。クルーの間やクルーと地上の間でのやりとりをフランクにできるような環境づくりや働きやすい環境づくりを意識した。」と、語りました。船長として、チームワークづくりに心を砕いた様子がうかがえます。

身振り手振りを交えて記者の質問に答える星出宇宙飛行士
身振り手振りを交えて記者の質問に答える星出宇宙飛行士 ©︎JAXA/NASA

また、星出宇宙飛行士のミッションキャッチコピーである「夢は実現できる」という言葉に関連して、達成感を感じたこと・印象深かったことは何か問われた際には、「私自身は宇宙で活動したいという夢を3回実現してきたが、「きぼう」実験棟だけをとっても常に進化しているなと感じる。初回は「きぼう」船内実験室を組み付ける、という「まっさらな状態」だったが、2回目の長期滞在では「使われている」という感じがした。3回目は「かなり活用されているな」という思いがした。「きぼう」そして宇宙ステーションは人類としての宝だと思うが、全人類で活用していくことで、全人類の夢を実現できる場だと強く感じた。それぞれの実験やエンジニアリング的な検証、アップグレードにおいて、それぞれのチーム・人の夢がここで実現できているのではないか、その手伝いを我々がしているのだと感じた」と語りました。

最後に、「今回6か月、3回目の宇宙滞在を通して素晴らしい仲間と仕事ができた。その中で行った様々な実験は我々の生活に将来的に役立つ成果を生み出すと確信している。また、遠くない未来に月・火星に向かうための準備になる仕事もあったと思う。来年には若田宇宙飛行士、その後は古川宇宙飛行士がISSに向かうので、引き続き応援をよろしくお願いしたい。また、これから新しい飛行士を募集するので、挑戦したいという方は是非応募していただきたい。宇宙は無限の可能性が広がっていると、来るたびに感じる。一緒に仕事ができる仲間を楽しみにしている。」とこれからの展望について熱く語り、会見を終えました。

にこやかに会見を終える星出宇宙飛行士
にこやかに会見を終える星出宇宙飛行士 ©︎JAXA/NASA

星出宇宙飛行士の帰還の様子は生中継での配信を予定しています。
こちらもぜひご覧ください。

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