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星出宇宙飛行士の活動レポート

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星出宇宙飛行士ウィークリーレポート Vol.18(9/6~9/12)

星出彰彦宇宙飛行士は、9月12日21時15分頃から13日4時過ぎまで、ヨーロッパ宇宙機関(ESA)のトマ・ペスケ宇宙飛行士と共に船外活動を実施しました。星出宇宙飛行士が行った船外活動時間は通算で28時間17分となり、これまで最長だった野口宇宙飛行士の27時間1分を1時間ほど上回り、日本人の船外活動記録を更新しました。

船外活動(EVA)を行う星出宇宙飛行士 ©︎NASA
船外活動(EVA)を行う星出宇宙飛行士 ©︎NASA

では、今週も星出宇宙飛行士の活動の一部をご紹介しましょう。
9月6日、微小重力環境下での哺乳類初期胚の発生能について(Space Embryo)実験の試料解凍と培地の交換を行い、細胞培養装置(CBEF)に設置しました。地上では、実験開始の様子を研究代表者やJAXAスタッフがリアルタイムで見守りました。

微小重力環境下での哺乳類初期胚の発生能(Space Embryo)実験を見守る研究代表者、共同研究者とJAXA地上スタッフ ©︎JAXA
微小重力環境下での哺乳類初期胚の発生能(Space Embryo)実験を見守る研究代表者、共同研究者とJAXA地上スタッフ ©︎JAXA

9月10日、試料の反応を停止させる化学固定処理を行い、Space Embryo実験を終了させました。

船外活動(EVA)を行う星出宇宙飛行士 ©︎NASA
船外活動(EVA)を行う星出宇宙飛行士 ©︎NASA

9月12日、トマ・ペスケ宇宙飛行士と船外活動を実施。星出宇宙飛行士は作業をリードするEV1という役割を担いました。今回の作業時間は6時間54分で、新型太陽電池アレイ(iROSA)を取り付けるための架台の設置、動作不良を起こしていた浮動電位測定装置(FPMU)の交換などの作業を行いました。iROSAは、劣化で出力が下がっていた太陽電池を補完するためのもので、パネルが3分の1程度の大きさになるにもかかわらず、これまでの太陽電池とほぼ同じ20kWの発電能力をもっています。FPMUは国際宇宙ステーション(ISS)の電位を測定するための装置で、太陽電池アレイやISS表面の帯電や放電の危険性を最小限に抑える対策を立てるためにデータを取得している装置です。

今週は、星出宇宙飛行士のSNS投稿も紹介します。

星出宇宙飛行士Twitterより
星出宇宙飛行士Twitterより

これは、船外活動前夜の宇宙服の写真ですね。船外活動当日は実施の6時間ほど前に起床、そこから身支度や準備が始まります。準備には、とても時間がかかるのです。船外活動中の宇宙服の気圧は、ISSよりも低い0.3気圧ほどに調整されます。急激に気圧が下がるとヒトの体は減圧症となり、重い場合は脳卒中に似た症状を引き起こします。これは、体組織の中に溶け込んだ窒素が気泡となって血管をふさぐためです。そこで、宇宙服を着た後に、時間をかけて徐々に宇宙服内の気圧を下げ、体から窒素を追い出します。この作業を「プリブリーズ」といいます。お昼ごろに、やっと準備が整い船外へ。宇宙空間で約6~7時間にも及ぶ作業を実施します。終了後はエアロックで徐々に1気圧に戻し、片付けをします。船外活動の間、水分は補給できますが、食事をとることはできません。船外活動を実施する宇宙飛行士にとっては、とても過酷で長い1日となります。

船外活動の一日 ©︎JAXA
船外活動の一日 ©︎JAXA

記念すべき宇宙の日に、無事船外活動を終えた安堵感と達成感が感じられますね。星出宇宙飛行士らしく、まさに「ONE TEAM」で取り組んだ、仲間への信頼と感謝の気持ちが伝わってきます。

来週もウィークリーレポートをお楽しみに!

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