星出宇宙飛行士4度目の船外活動(EVA)へ!
国際宇宙ステーション(ISS)に長期滞在中の星出宇宙飛行士は、ESAのトマ・ペスケ宇宙飛行士と共に、2021年9月12日午後9時30分ごろ(日本時間)から約6時間30分にわたり予定されている、自身4回目の船外活動(EVA)に挑みます! 船外活動は、2人一組で行いますが、星出宇宙飛行士は作業をリードするEV1という役割を担います。また、NASAが担当するEVAをNASA以外の宇宙飛行士のみで行うのは初めてのことです。
星出宇宙飛行士は、第32次/33次長期滞在ミッションにおいて、3回の船外活動を経験しており、合計21時間23分の船外活動記録を持っています。これまで、日本人宇宙飛行士で船外活動を行ったのは、土井宇宙飛行士・野口宇宙飛行士・星出宇宙飛行士・金井宇宙飛行士の4人ですが、今回の船外活動が予定通りであれば、星出宇宙飛行士は、今年3月に野口宇宙飛行士が更新した、EVA日本人最長記録をさらに塗り替えるかもしれません!
今回の船外活動は、主に以下の作業を行う予定です。
①新型太陽電池アレイ(IROSA: ISS Roll-Out Solar Array)の架台取付け
新規太陽電池アレイ(iROSA)の架台を4A太陽電池アレイのジンバル基部(根本部分)に取り付けます。これは、2021年3月に野口宇宙飛行士が4B太陽電池アレイで行なった作業に続くものです。劣化により出力の落ちてきた太陽電池の出力を補完するため、新規の太陽電池アレイ(iROSA)を、取り付ける作業の一環です。iROSAは、これまでの太陽電池パネルの3分の1程度のサイズにもかかわらず、ほぼ同等の発電能力(20kW)を持っています。将来的には、8つのチャンネルすべてに取り付ける予定です。
②浮動電位測定装置(FPMU: Floating Potential Measurement Unit)の交換
P1トラス上に設置されている浮動電位測定装置(FPMU: Floating Potential Measurement Unit)が動作不良を起こしているため、予備品と交換します。FPMUはISSの電位を測定する装置です。宇宙機の太陽電池アレイや表面の帯電や放電対策についての研究用にデータを取得しています。
船外活動というと、宇宙を自由に動き回れる楽しい作業のように思いがちですが、実は、厳しい宇宙環境の中、およそ6時間以上にも及ぶ長時間作業で、その間食事をとることもできない、という非常に過酷な任務です。星出宇宙飛行士をはじめ、宇宙飛行士たちは、船外活動を成功させるために、訓練を重ねています。十分な準備ができて初めて宇宙空間に出ることができるのです。
また、ISS内でも様々な準備や訓練を直前まで行っています。これは、VR(バーチャルリアリティ)装置を使用した、セルフレスキュー用推進装置(Simplified Aid For EVA Rescue: SAFER)の訓練の様子です。
星出宇宙飛行士の船外活動について、さらに詳しく知りたい方は、解説番組(日本語)をJAXA YouTubeチャンネルにて公開しています。船外活動の豆知識や、裏話も!ぜひこちらもチェックしてくださいね!
星出宇宙飛行士を応援しよう!船外活動解説番組
- 解説:金井宣茂JAXA宇宙飛行士・山本紘史JAXAインクリメントマネージャ