星出宇宙飛行士ウィークリーレポート Vol.17(8/30~9/5)
延期されていた星出宇宙飛行士の船外活動ですが、9月12日21時30分頃から実施されることになりました。奇しくも宇宙の日ですね!
星出宇宙飛行士は自身4回目の船外活動となります。今回の船外活動はもともとアメリカ航空宇宙局(NASA)のマーク・ヴァンデハイ宇宙飛行士と共に実施されるはずでしたが、延期によってヨーロッパ宇宙機関(ESA)のトマ・ペスケ宇宙飛行士と行うことになりました。NASAが担当する船外活動をNASA以外の宇宙飛行士のみで行うのは、初めてのことです。
フランス人のトマ・ペスケ宇宙飛行士はフランス国立宇宙研究センター(CNES)でエンジニアとして勤務した経験もあります。CNESは小惑星探査機「はやぶさ2」に搭載された小型着陸機「MASCOT(マスコット)」を開発した機関の1つです。JAXAとCNESは「はやぶさ2」が地球に持ち帰ったリュウグウのサンプル分析や現在準備中の火星衛星探査計画「MMX(エムエムエックス)」でも協力しています。また、第1段ロケットの再利用技術を獲得するための小型実験機「CALLIST(カリスト)」の研究開発など、JAXAとCNESの協力は多岐に渡っています。
今週も星出宇宙飛行士は様々な活動を行いました。その一部を紹介します。
8月30日、微小重力環境下での哺乳類初期胚の発生能について(Space Embryo)実験に向けた準備として、細胞培養装置(CBEF)に加湿器を設置しました。
Space Embryo実験は、凍結したマウスの初期胚を「きぼう」日本実験棟で解凍し、微小重力環境下で4日間培養するものです。この実験によって、哺乳類の受精卵が微小重力環境でも地上と同じように発生できるのかを調べ、哺乳類が宇宙で子どもをつくることができるのかどうかを、科学的に明らかにしていきます。
9月2日、静電浮遊炉(ELF: Electrostatic Levitation Furnace)の試料カートリッジ及び試料ホルダを交換し、ELF実験を開始しました。今回は有償利用実験を実施します。
9月3日、Space Embryo実験の準備として、実験初日のサンプルを解凍し、培地の交換手順の確認と、培地の準備をしました。本実験は、9月6日に実施されていますが、その様子は、来週のウィークリーレポートで!
今週は、JAXAきぼうフライトディレクタのSNS投稿も紹介します。
9年前も船外活動を行った星出宇宙飛行士。今回が4回目の船外活動となります。
12日の船外活動はNASAテレビでライブ中継されます。
視聴はこちらから。
来週のウィークリーレポートでは、船外活動の様子についても報告します!
どうぞお楽しみに。
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