Reportレポート星出宇宙飛行士の活動レポート26

星出宇宙飛行士ウィークリーレポート Vol.14(8/2~8/15)

「きぼう」日本実験棟に設置されているたくさんの実験装置やシステム機器は、宇宙飛行士によって定期的にメンテナンスされています。メンテナンス中に、ラックの後ろから顔を出す星出宇宙飛行士。いたずらっ子のようないい表情ですね!

「きぼう」モジュール内のメンテナンス作業をしながら、ラックの後ろから頭を出す星出宇宙飛行士の様子 ©︎JAXA/NASA
「きぼう」モジュール内のメンテナンス作業をしながら、ラックの後ろから頭を出す星出宇宙飛行士の様子 ©︎JAXA/NASA

今週も星出宇宙飛行士は様々な作業をしました。その一部を紹介します。

8月3日、ドラゴン補給船運用22号機(SpX-22)で打ち上げた画像取得処理装置(IPU)2をワークステーションのラックに設置しました。
8月5日、細胞の重力センシング機構の解明(Cell Gravisensing)実験の準備として、細胞培養装置の代替用サンプルトレーに加湿器を設置しました。Cell Gravisensingは、未だ明らかになっていない細胞単位での重力感知のメカニズムを解明するために、「きぼう」の細胞培養装置(CBEF)の人工重力と微小重力の両方の環境で細胞試料を培養し、重力変化の瞬間を顕微鏡で捉える実験です。観察には、軌道上で生きた細胞を長時間のタイムラプス機能や、波長の異なる2つの蛍光を1台のカメラで同時に撮影できるスプリットビュー機能を搭載したライブイメージングシステム(COSMIC)が使用されます。
8月10日、第2回「きぼう」ロボットプログラミング競技会(Kibo-RPC)に向けて、地上と連携してリハーサルを実施しました。
8月13〜15日、Cell Gravisensing実験を実施しました。必要に応じて培地を交換しながら、試料の培養、観察を行いました。微小重力における筋萎縮や骨量減少は、細胞が微小重力を感知することがきっかけとなると考えられます。このメカニズムを解明することで、宇宙空間での筋萎縮・骨量減少だけでなく、地上での寝たきり状態での病態の予防・治療法の開発に繋がることが期待できます。

今週は、星出宇宙飛行士のSNS投稿内容もいくつか紹介します。

東京オリンピックが閉会しました。次は2024年のパリ大会です。星出宇宙飛行士とフランス人のトマ・ペスケ宇宙飛行士と一緒に、東京大会に出場したアスリートたちに感謝を示し、3年後のパリ大会に期待する動画をつくりました。

シグナス補給船運用16号機(NG-16)で打ち上げられた実験試料はCell Gravisensingのものだけではありません。無重力や寝たきりによる筋萎縮の予防に有効なバイオ素材の探索(Anti-Atrophy)実験の試料も送られています。こちらの実験も始まるのが楽しみですね。

来週のレポートもお楽しみに!

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