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星出宇宙飛行士の活動レポート

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星出宇宙飛行士ウィークリーレポート Vol.10(7/5~7/11)

国際宇宙ステーション(ISS)で活動する宇宙飛行士には、タブレット端末が用意されています。昔の宇宙活動では、機器のマニュアルや実験の作業手順はすべて紙に書かれていたので、宇宙飛行士は分厚い書類と格闘しなければいけませんでした。今はマニュアルも手順書もタブレット端末で見ることができます。宇宙飛行士は、タブレット端末でスケジュールや作業手順を確認しながら、日々の活動を行なっています。野口宇宙飛行士も、7月9日(金)に行われた帰国記者会見で、前回のISS滞在と違った点としてタブレットをあげていましたね。便利になったとはいえ、たくさんの作業を間違いなく実行するには、綿密な手順の確認作業は重要です。星出宇宙飛行士の表情にも、真剣さがうかがえますね。

それでは、今週も星出宇宙飛行士の活動を紹介していきましょう。

実験の手順をタブレットで確認する星出宇宙飛行士 ©️JAXA/NASA
実験の手順をタブレットで確認する星出宇宙飛行士 ©️JAXA/NASA

7月5日、高品質タンパク質結晶生成実験(MTPCG#6F)のサンプルをポータブル冷凍・冷蔵庫2(FROST2)から試料輸送用真空断熱容器に移動させました。MTPCG#6Fは、タンパク質を凍結して打ち上げ、軌道上で融解後に結晶化を開始するものです。これにより宇宙実験の実施が難しかった不安定な創薬標的タンパク質の結晶化が宇宙でできるようになり、適用するサンプルの幅が広がることで創薬需要に応えることが期待されます。
この日は、静電浮遊炉(ELF)の試料カートリッジを清掃し、新たな実験を行うために試料ホルダを交換しました。また、実験に使用する空気を供給するためにガス・ボトル・ユニット(GBU)も交換しました。
7月8日、軌道上装填型小型衛星放出機構(J-SSOD-R)の湿度を一定に保つため、乾燥剤を設置しました。J-SSOD-Rは、繰り返し再利用できる超小型衛星の放出ケースで、従来のケースに比べて衛星搭載能力が増し、一回の放出で6ユニット(1ユニットは一辺10cmの立方体サイズ)の衛星を放出することができます。
下の画像は、J-SSOD-Rの搭載ケースを初めて使用した、今年3月の放出後の片付けの作業の様子です。野口宇宙飛行士が、2つの細長いスロットを抱えていますね。現在軌道上には、この2スロットが保管されています。

スライドテーブルから「きぼう」の小型衛星放出機構(J-SSOD)の取外し作業を行う野口宇宙飛行士
スライドテーブルから「きぼう」の小型衛星放出機構(J-SSOD)の取外し作業を行う野口宇宙飛行士

今週はリアルタイム交信イベントが2つ続けて開催されましたので、そちらも紹介します。
それぞれのイベントのアーカイブ配信は下記のURLから視聴いただけますので、見逃した方、あるいはもう一度見返したい方は、ぜひご覧ください。

7月6日、「GIGAスクール特別講座〜君も宇宙へ!〜」が全国の小中学生向けのGIGAスクール構想連携イベントとして開催されました。宇宙からは星出宇宙飛行士、地上では油井亀美也宇宙飛行士が講師として登場して、「宇宙での水や食べ物の動き方と食事の仕方」について紹介しました。星出宇宙飛行士は、宇宙でコーヒー牛乳を作る実験を行い、マーブル模様になった様子を「まるで木星のようだ」と表現していました。珍しいこの映像、ぜひチェックしてみてください。

ISS内で撮影された願い事の短冊 ©︎JAXA/NASA
ISS内で撮影された願い事の短冊 ©︎JAXA/NASA

翌、7日にはISSリアルタイム交信イベントとして、「星出に願いを篇~TeamJAPANで宇宙のその先へ。星出宇宙飛行士ミッション応援プロジェクト~」が開催されました。4月中旬から開始されたTwitterキャンペーン「#星出に願いを」で投稿された、星出宇宙飛行士へ届けたい約400の夢の中から、5名の方が星出宇宙飛行士と交信し、七夕の夜にそれぞれの願いを語ってもらいました。ゲストに劇団ひとりさんもお越しいただき、宇宙トークで盛り上がりました。
イベントに参加された皆さんの願いは、ISSへも届けられました。宇宙に浮かぶ願い事の短冊の画像をご覧ください。みなさんの願いが叶いますように!

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