古川宇宙飛行士 軌道上活動レポート Vol.14(3/4〜3/12)
3月12日、古川聡宇宙飛行士は、約半年間滞在した国際宇宙ステーション(ISS)を離れ、地上に戻りました。この軌道上活動レポートも今回が最後となりました。それでは、地球帰還直前から帰還までの約1週間の活動を紹介します。
3月4日午後0時53分に、クルードラゴン宇宙船運用8号機(Crew-8)が米国フロリダ州 にあるケネディ宇宙センター39A射点から打ち上げられました。古川宇宙飛行士はCrew-8をISSに迎えるための準備作業を行いました。
3月5日、Crew-8がISSに到着し、午後4時41分にドッキングしました。気圧の調整後、ハッチが開けられ、搭乗していたマシュー・ドミニク宇宙飛行士、マイケル・バラット宇宙飛行士、ジャネット・エップス宇宙飛行士、アレクサンダー・グレベンキン宇宙飛行士がISSへ移動し、ウェルカムセレモニーが行われました。ISSは古川宇宙飛行士たちが地球へ帰還するまで11名体制になりました。
3月6日、Crew-8クルーへISSでの生活について引き継ぎが行われました。衣類や洗面用具、医療用具キットなど、個人の持ち物の場所について話し合いました。また、ISS内のトイレの使用状況を確認、夜間の緊急事態に備えて、Crew-8クルーに個人用呼吸装置を割り当てるなどの作業を行いました。作業後には、Crew-8クルーがISSで初めての食事の準備をするのを手伝いました。
3月7日、古川宇宙飛行士をはじめ、クルードラゴン宇宙船運用7号機(Crew-7)に搭乗するクルーが、地球への帰還準備の一環として宇宙服(船内与圧服)の機能確認をしました。
3月8日、古川宇宙飛行士が固体燃焼実験装置 (Solid Combustion Experiment Module:SCEM )によるFLARE実験の準備作業をしました。古川宇宙飛行士にとって、これが今回の長期滞在で最後のJAXA関連の作業となりました。
3月9日、Crew-7クルーが、Crew-8クルーに対し、改良型エクササイズ装置(Advanced Resistive Exercise Device: ARED)の正しい使用法を教えました。微小重力空間であるISSでは、足や腰などの筋力が衰えてしまうため、滞在している宇宙飛行士には毎日AREDなどの器具を使った運動が義務づけられています。
3月12日、古川宇宙飛行士、ジャスミン・モグベリ宇宙飛行士、アンドレアス・モーゲンセン宇宙飛行士、コンスタンチン・ボリソフ宇宙飛行士が搭乗したCrew-7が午前0時20分にISSから分離し、地球に向けて出発しました。
そして、午後6時47分にCrew-7が米国フロリダ州ペンサコーラ沖に着水しました。Crew-7は海上から回収船に引き上げられた後、順番に宇宙船から降りました。古川宇宙飛行士は最後に宇宙船から出たあと、地上スタッフに笑顔で手を振って応えていました。
約6か月間にわたって、2週間に1回程度掲載してきました軌道上レポートは今回で終了です。ご愛読ありがとうございました。以降は、不定期で古川宇宙飛行士の活動を紹介して参りますのでお楽しみに。今後とも、古川宇宙飛行士並びに有人宇宙活動への応援をよろしくお願いします。
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