古川宇宙飛行士 軌道上活動レポート Vol.12(2/5〜2/18)
国際宇宙ステーション(ISS)の「きぼう」日本実験棟では、宇宙環境を利用した国際協力活動も行われています。この期間では、「きぼう」の代表的な国際協力活動の1つである「アジアントライゼロG 2023( Asian Try Zero-G 2023)」が実施されました。それでは、古川宇宙飛行士の活動の一部を紹介します。
2月5日、「アジアントライゼロG 2023(Asian Try Zero-G 2023)」実験の準備作業として、実験内容の事前確認をしました。Asian Try Zero-Gは、アジア・太平洋地域における宇宙環境利用の普及を図るため、各国・地域の学生たちから提案された実験を「きぼう」でISS長期滞在の日本人宇宙飛行士が実施するプログラムです。
2月6日、「微⼩重⼒環境を活⽤した⽴体臓器創出技術の開発(Development of advanced 3D organ culture system utilizing microgravity environment: Space Organogenesis)」の第2期実験に向けて、実験支援系の共通ガス供給装置(Common Gas Supply Equipment: CGSE)に取り付けた新型ガスボトルユニットからガスの漏れがないかチェックしました。
さらに、地上の管制室と連携して、 JEM船内可搬型ビデオカメラシステム実証2号機(Internal Ball Camera2: Int-Ball2)の性能確認を行いました。
2月7日午後11時20分に、マイケル・ロペズ-アレグリア宇宙飛行士、ウォルター・ヴィラデイ宇宙飛行士、アルパー・ゲゼラフチ宇宙飛行士、マーカス・ヴァント宇宙飛行士が搭乗したクルードラゴン宇宙船運用Ax-3号機(Ax-3)がISSから離脱して、地球へ向かいました。これにより、ISSのクルーは7人に戻りました。
2月8日、静電浮遊炉(Electrostatic Levitation Furnace: ELF)の試料カートリッジを清掃し、試料ホルダとガスボトルユニットを交換しました。この試料ホルダは米国MDI社のSuperglass実験に使用します。試料である高融点酸化物液体の物性を測定し、液体構造や凝固過程との関係を解明することを目的としています。
2月9日午後10時30分、Ax-3が米国フロリダ沖の大西洋に着水し、4人の宇宙飛行士が無事、地球に帰還しました。また、この日は古川宇宙飛行士が定期メンテナンスの一環として、ISSのトイレ(Waste and Hygiene Compartment:WHC)の部品交換をしました。
2月13日、古川宇宙飛行士がAsian Try Zero-G 2023で採択された16の実験を行い、その様子を撮影しました。今年のAsian Try Zero-Gには過去最多の9か国・地域から570名の学生が参加し、245件の実験テーマの応募がありました。この日の実験結果を受けて、採択された実験を 発案した学生による成果報告会の開催も後日予定しています。
アジアントライゼロG 2023(Asian Try Zero-G 2023)の開催(速報)についてはこちら
2月14日、ELFの位置センサの交換作業を行いました。翌15日には、ケーブルを接続し、地上から交換した位置センサの機能確認を行いました。
2月17日、プログレスMS-26補給船(87P)はISSに到着し、午後3時06分にドッキングしました。
今回のレポートはここまでです。
次回のレポートは3月7日(木)頃を予定しております。ぜひ、お楽しみに。
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