古川宇宙飛行士 軌道上活動レポート Vol.11(1/22〜2/4)
古川聡宇宙飛行士の国際宇宙ステーション(ISS)滞在期間も予定の6か月に近づいてきましたが、この期間、「きぼう」日本実験棟での実験など、たくさんのことに取り組みました。この期間ではクルードラゴン宇宙船運用Ax-3号機(Ax-3)ミッションの宇宙実験にも協力しています。
それでは、古川宇宙飛行士の活動の一部を紹介します。
1月22日、「微⼩重⼒環境を活⽤した⽴体臓器創出技術の開発(Development of advanced 3D organ culture system utilizing microgravity environment: Space Organogenesis)」の第2期実験に向けて、新型ガスボトルユニットにコネクターを取り付けました。これで、実験支援系の共通ガス供給装置(Common Gas Supply Equipment: CGSE)と接続することができるようになりました。
1月23日、「⽕災安全性向上に向けた固体材料の燃焼現象に対する重⼒影響の評価(Fundamental Research on International Standard of Fire Safety in Space -base for safety of future manned mission-: FLARE)」実験の準備の一環として、地上から窒素ガスの漏洩がないかどうかを確認する作業のために、古川宇宙飛行士が、固体燃焼実験装置(Solid Combustion Experiment Module: SCEM)のバルブを操作しました。
1月24日、古川飛行士は、SCEMの排気や空気供給のガスラインに漏れなどがないか確認する作業を地上と協力して行いました。さらに、地上からの操作で、SCEMを加圧しこの状態での漏洩が無いかどうかの確認を26日まで続けました。
1月25日、古川宇宙飛行士は、静電浮遊炉(Electrostatic Levitation Furnace: ELF)の試料カートリッジのチャンバー内部を清掃した後、新しい実験試料の入ったホルダをELFに挿入し、機能確認をしました。
また、Space Organogenesis準備の一環として、ライブイメージングシステム(Confocal Space Microscopy: COSMIC)の片付けと保護カバーのセット、JEM船内可搬型ビデオカメラシステム実証2号機(Internal Ball Camera2: Int-Ball2)に蓄積されていた「きぼう」船内の撮影データの地上への送信なども実施しています。
1月26日、SCEMの加圧状態でのチェックが終了した後、減圧状態でのチェックを開始しました。
1月28日、26日から続いていたSCEMの減圧状態でのチェックが終了し、その次の段階の機能確認へと進みました。
1月29日、システムラップトップ端末(System Laptop Treminal: SLT)の再起動を行い、アップデートされたソフトウエアをSLTに適応しました。さらに、地上からSCEMの機能確認を実施しました。
1月30日、古川宇宙飛行士は、Space Organogenesis2実験に向けて、CGSEに新型ガスボトルユニットを設置しました。また、SCEMの機能確認を行いました。また、シグナス補給船運用20号機(NG-20)が2時7分に米国フロリダ州にあるケープカナベラル宇宙軍基地から打ち上げられました。
1月31日と2月1日に、ELFで先端材料の熱物性データを取得する実験を行いました。
2月1日、数日かけて行っているSCEMの機能確認を引き続き行いました。さらに、NG-20がISSに到着し、18時59分にISSのロボットアーム(Space Station Remote Manipulator System: SSRMS)によって把持され、同日21時14分にISSと結合しました。
2月2日、リアルタイム交信イベント、「宇宙好きキッズ大集合!~古川宇宙飛行士と宇宙の未来を熱く語ろう~」が開催され、宇宙が大好きで情熱を持って活動している3人の小中学生とISSにいる古川宇宙飛行士が宇宙について熱く語り合いました。イベントの模様はJAXAイベント配信専用チャンネルでご覧頂けます。
今回のレポートはここまでです。次回のレポートは2月22日(木)頃を予定しております。
次回のレポートもお楽しみに。
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