古川宇宙飛行士 軌道上活動レポート Vol.8(12/4〜12/17)
古川宇宙飛行士が国際宇宙ステーション(ISS)に旅立ってから、早くも3か月半がたち、今回の長期滞在日数が100日を超えました。では、さっそく、活動の一部を紹介します。
12月4日、「微小重力環境を活用した立体臓器創出技術の開発(Development of advanced 3D organ culture system utilizing microgravity environment: Space Organogenesis)」実験に使用される立体培養用⾃動溶液交換器具2型(T-DOCS)の動作確認、「火災安全性向上に向けた固体材料の燃焼現象に対する重力影響の評価 (Fundamental Research on International Standard of Fire Safety in Space: FLARE」実験に使用する固体燃焼実験装置(Solid Combustion Experiment Module: SCEM)の動作確認を実施し、それぞれの実験の準備を進めました。
12月5日、地上と連携して、JEM船内可搬型ビデオカメラシステム実証2号機(JEM Camera Robot 2: Int-Ball 2 )の動作確認作業を行いました。
12月6日、「きぼう」日本実験棟船内の定期メンテナンスとして、空気調和装置の空気吸い込み口に設置してあるリターングリルの清掃を行いました。私たちが、家の掃除をするように、こうした生活環境を整える作業も大切な宇宙飛行士の仕事です。さらに、古川宇宙飛行士は筑波宇宙センターの管制室とのオンライン会議に出席しました。この日の会議では、古川宇宙飛行士のISS滞在100日経過をお祝いしました。
12月7日、小型衛星放出機構(JEM Small Satellite Orbital Deployer: J-SSOD)の次回の放出(J-SSOD#27)の準備として、古川宇宙飛行士とジャスミン・モグベリ宇宙飛行士が協力し、「きぼう」エアロックのスライドテーブルに親アーム先端取付型実験アダプタ(Multi-Purpose Experiment Platform: MPEP)を取り付けました。
12月11日、ISSと首相官邸特設スタジオを結び、古川宇宙飛行士が盛山文部科学大臣、高市内閣府特命担当大臣(宇宙政策)らと交信しました。交信の様子は、YouTubeアーカイブ動画にて配信中です。また、18日に予定されている超小型衛星放出に向け、7日に「きぼう」エアロックのスライドテーブルに取り付けたMPEPにJ-SSODを設置しました。 J-SSODには、大学生・大学院生が開発した「BEAK」と高校生が開発した「Clark sat-1」の2機の超小型衛星が収められています。18日の超小型衛星放出の様子は、次回のレポートで紹介します。
12月12日、古川宇宙飛行士と地上の管制室が連携してJ-SSODの動作確認をしました。また、「宇宙環境が精⼦幹細胞へ及ぼす影響の解析(Effect of space environment on fertility of spermatogonial stem cells: Sperm Stem Cells)」実験のために冷凍・冷蔵庫(Minus-Eighty Degree Laboratory Freezer for ISS: MELFI)に保管されていた線量計を取り出し、地球へ帰還予定のドラゴン補給船運用29号機(SpX-29)に収納しました。
12月15日、ISSと地上を結ぶ交信イベントが実施されました。このイベントでは、18日に放出が迫ったBEAK とClark sat-1の開発に携わった大学院生と高校生も参加し、超小型衛星放出をテーマに、それぞれの衛星を紹介しました。ISSの古川宇宙飛行士とのトークも盛り上がりました。このイベントの模様も、YouTubeアーカイブ動画にて配信中です
今回のレポートはここまでです。そして、2023年の古川宇宙飛行士の軌道上活動レポートは以上となります。
次回のレポートは年明け後の2024年1月11日(木)頃を予定しています。ご期待ください。
皆様、どうぞ良いお年をお迎えください。
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