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古川聡宇宙飛行士が軌道上から盛山文部科学大臣、高市宇宙政策担当大臣、大学院生と交信を行いました!

大臣、学生と交信を行う古川宇宙飛行士(Image by JAXA/NASA)

12月11日、古川聡宇宙飛行士が滞在中の国際宇宙ステーション(ISS)「きぼう」日本実験棟と首相官邸特設スタジオをつなぐISS交信が行われました。特設スタジオからは、盛山正仁 文部科学大臣、高市早苗 内閣府特命担当大臣(宇宙政策)、そしてJAXA小型月着陸実証機 SLIMプロジェクトに関わった研究室につながりのある7名の現役大学院生が参加しました。両大臣と学生の皆様からは、ミッション遂行中の古川宇宙飛行士へのねぎらいの言葉と質問が寄せられました。
質疑応答の一部をご紹介します。

特設スタジオの様子(Image by JAXA)

盛山文部科学大臣・質疑応答(抜粋/要約)

—月やその先の国際宇宙探査において日本が期待されていることは何だと感じていますか。日本はどのような役割を果たしていくべきであると考えていますか。

「きぼう」日本実験棟の運用を通じて、日本は環境制御技術や物資輸送技術、ユニークな宇宙実験装置など、日本独自の技術を獲得してきました。さらに、持続的な月探査を目指していくうえで重要となる有人ローバーについて、日本独自で要素技術やコンセプトの研究を進めています。また、SLIMプロジェクトで目指しているような、月の降りたいところに降りる技術も、とても大切になってくると思います。ISSを技術実証の場としてしっかり活用して、このような日本の強みをさらに強化し、アルテミス計画などで国際貢献していくことが大切です。また、これらの技術は民間企業にも利用頂けるようにしていくことが必要と考えています。

—宇宙を志す若者への期待やメッセージをお願いします。

最初からうまくいくことはほとんどなく、何らか壁にぶつかると思います。壁にぶつかったときに考え、調べ、いろいろ試して、壁を乗り越えていってください。その過程で知識や技能が磨かれていくと思います。これからも若い皆さんからの熱い想いに刺激を受けることを私も楽しみにしています。

特設スタジオの様子(Image by JAXA)

高市宇宙政策担当大臣・質疑応答(抜粋/要約)

—昨年、ISSが2030年まで延長されることが決まりました。これから2030年までの間、ISSをどのように活用していくべきですか。そして、ポストISSを見据えて、日本は何をするべきだとお考えですか。

2030年までのISSについては、例えば、新薬の開発を促進するなど、宇宙の特殊環境を使って地上にその成果を還元する活動を続けていくことが大切だと思います。さらに、将来の月探査に向けての技術実証、企業の事業実証などの場として積極的に活用していく必要があります。ポストISSについては、これまで日本が培ってきた技術、ノウハウを継承し、引き続き地球周回軌道に日本の産官学が自在に活動できる場を確保することが重要です。そのために、日本としても国際協力の下、科学の発展、課題解決、人材育成などにつながる活動を続けていく必要があります。

特設スタジオの様子(Image by JAXA)

SLIMプロジェクトに関わった研究室につながりのある学生たち・質疑応答(抜粋/要約)

—月面で探査や活動をする機会があれば、どのようなことを行いたいですか。

月での活動の機会を頂けるのであれば、 持続的な活動に重要な水などの資源探索、放射線などから人体を守る住居の候補となる縦孔の探索などに関わっていきたいです。

—ISSや月面基地など、限られた空間の中で共に生活し、一緒に仕事をしたいと思う人はどのような人でしょうか。

自分の責任ある範囲をしっかり行ったうえで、困っている仲間がいたらお互いに助け合えるような仲間がいいなと感じています。さらに、ポジティブな性格で、たとえ困難なことがあっても、ジョークにして笑い飛ばせるような仲間が理想的です。実際、今、軌道上にいる仲間もそういう仲間で、とてもありがたいです。

—ISSで長期滞在されている中で、日本やほかの参加国の文化などを感じるイベントはありましたか。印象に残ったエピソードがあればお聞かせください。

11月下旬のサンクスギビング(Thanksgiving Day:感謝祭)のときに仲間と一緒に過ごしたことが印象に残っています。サンクスギビングは、欧米ではもともとは収穫に対する感謝の日で、いまでは家族や仲間が集まり一緒に過ごす日だと理解しています。日本ではサンクスギビングそのものは特別にお祝いせず、お正月がそれに該当する、ということを仲間に紹介しました。人類が月に永住するようになると、その環境に最適化した新しい文化が生まれてくるのではないかと想像して、ワクワクしています。

最後に、ISS長期滞在の任務成功に向けて、盛山文部科学大臣から「ISSは、宇宙活動を行う拠点であると同時に、国際パートナーシップの象徴です。日本の強みを活かした国際貢献を継続し、日本人宇宙飛行士の活躍の場が月やその先へ広がるように取り組んでいきましょう」とメッセージを受け、古川宇宙飛行士は「宇宙環境を利用した成果を地上へ還元すること、宇宙探査に向けて日本の強みとなる技術を実証すること、企業による利用を促進していくこと、この3つの柱を中心に、さらにしっかりとミッションを行っていきます」と力強く語りました。

前列:左から高市大臣、盛山大臣、若田宇宙飛行士、後列:大学院生の皆様(Image by JAXA)

古川宇宙飛行士のISS長期滞在もいよいよ後半に入ります。今後も活動は多忙ですが、後半もぜひ応援してください!

なお、今回のISS交信の様子はYouTubeでアーカイブ配信しています。

URL:https://youtu.be/doahzCMGs7k

※本文中の日時は全て日本時間

JAXA 有人宇宙技術部門 Humans in Space人類の
未知への挑戦を。