古川宇宙飛行士 軌道上活動レポート Vol.5(10/23〜11/5)
この期間中、国際宇宙ステーション(ISS)では、延期されていた船外活動(Extravehicular activity: EVA)が実施され、古川聡宇宙飛行士は準備やEVAクルーのサポートで活躍しました。「きぼう」日本実験棟での活動の一部も含めて紹介しましょう。
10月23日、ISSの尿処理装置のフィルターとセパレーターを取り外し、新たなものと交換しました。さらに、ローラル・オハラ宇宙飛行士とジャスミン・モグベリ宇宙飛行士のEVAの準備として、手順書の確認や会議が開かれました。
10月24日、ISSに滞在している古川宇宙飛行士と地上を結ぶ交信イベント「古川宇宙飛行士にプレゼン!宇宙好き大学生の『推しミッション』」が開催されました。このイベントでは、宇宙への関心が高い大学生4 名が「きぼう」ミッションの中から『推しミッション』を1つ選んでプレゼンテーションを行い、古川宇宙飛行士に宇宙への熱い思いを届けました。イベントの模様は、JAXA YouTubeチャンネルにアーカイブされています。
10月26日、「細胞の重⼒センシング機構の解明(Elucidation of gravisensingmechanism in single cells: Cell Gravisensing)」実験のために、古川宇宙飛行士が共焦点レーザー顕微鏡(Confocal Space Microscopy:COSMIC )のセットアップをし、機能を確認しました。Cell Gravisensingは細胞が微小重力を感知するメカニズムを明らかにするためのもので、2021年8月に実施された第1回実験に続く2回目の実験となります。
この日は、これから到着する予定のドラゴン補給船運用29号機(SpX-29)に搭載されている実験機器を船外プラットフォームに設置する準備として、「きぼう」ロボットアームのソフトウェア更新も行いました。
10月30日、Cell Gravisensing実験の準備の一環として、細胞培養装置(Cell Biology Experiment Facility: CBEF)の庫内清掃を実施しました。
10月31日、オハラ宇宙飛行士とモグベリ宇宙飛行士のEVAにむけての、準備が行われました。2人の宇宙飛行士のバイタルチェックやEVA手順の確認には古川宇宙飛行士も参加し、サポートしました。
11月1日、オハラ宇宙飛行士とモグベリ宇宙飛行士が、EVAを実施しました。古川宇宙飛行士はEVAクルーが船外活動ユニット(Extravehicular Mobility Unit: EMU)を脱着する際に支援するSuit IVという役割を担いました。Suit IVは、EVAの縁の下の力持ちの役割で、EVクルーと比べて目立たちませんが、この作業は大変重要で、EVAの安全な実施のために長時間にわたる作業を着実に行わなければなりません。
今回のレポートはここまでですが、最後にお知らせです。
11月11日(土)に「筑波宇宙センター特別公開2023」を開催します。宇宙センター全体で50以上のイベントを実施予定です。事前申込制のイベントの受付は終わっていますが、当日受付の楽しいイベントもたくさん開催されます。皆さんのお越しをお待ちしております。
次回のレポートは11月22日(水)頃を予定しています。次回のレポートもお楽しみに。
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