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古川宇宙飛行士 軌道上活動レポート Vol.2(9/9〜9/22)

古川聡宇宙飛行士が国際宇宙ステーション(ISS)に到着して、もうすぐ1か月が経とうとしています。ISSでの仕事や生活にも慣れてきた頃でしょうか。この期間中、ソユーズ宇宙船(70S)がISSに到着し、クルーは、一時的に10人体制になりました(※注 27日に69Sが出発し現在は7人に戻っています)。それでは、古川宇宙飛行士の活動の一部を紹介します。

9月14日、13日から運転していた次世代水再生実証システム(JEM Water Recovery System: JWRS)をいったん停止し、古川宇宙飛行士が再生水のサンプルを採取しました。サンプルは、地上に回収するために、冷凍・冷蔵庫(Minus Eighty degree Celsius Laboratory Freezer for ISS: MELFI)に収納しました。様々な条件下での実験を行い、今後の開発に役立つ多くのデータを取得することを目的としています。

同じく14日には、静電浮遊炉(Electrostatic Levitation Furnace: ELF)の試料ホルダを交換しました。現在、ELFでは米国フロリダ大学のランガ・ナラヤナン教授が研究代表を務めている液体金属の共振と表面張力の関係を調べる実験を進めています。

静電浮遊炉(ELF)の試料ホルダ交換作業を行う古川宇宙飛行士(Image by JAXA/NASA)

9月16日3時53分(日本時間)にソユーズ宇宙船(70S)がISSとドッキングし、3人の宇宙飛行士が到着しました。ISSはこれからしばらく10人の宇宙飛行士が滞在する体制になりました。

9月19日、古川宇宙飛行士がJEM船内可搬型ビデオカメラシステム実証2号機(Internal Ball Camera2: Int-Ball2)を起動させ、機能確認を行いました。Int-Ball2は、宇宙飛行士に代わりISS内を飛行して写真や動画の撮影を行うことを目的に開発された宇宙ドローンで、現在、機能性能評価のための実証が進められています。

9月21日、20日から運転を再開していたJWRSの長期実証試験を終え、古川宇宙飛行士が、再生水のサンプルを採取し、MELFIに収納しました。これで2019年11月に開始したJWRSの運用が全て終了しました。若田宇宙飛行士滞在中の2023年3月には、水再生の全工程の運転に成功しています。古川宇宙飛行士滞在中には、全4つの工程のうち重力影響の大きい電気分解工程において、様々な条件でデータを取得することができました。今後は実証実験によって得られたデータを解析し、次世代水再生システムの開発に活かしていきます。

最後に古川宇宙飛行士のSNS投稿を2つ紹介します。

「9/12は宇宙の日、スペースシャトルで日本人として初めて、私の先輩である毛利衛宇宙飛行士が宇宙に飛び立った日です。皆さんに少しでも宇宙を感じていただければと思い宇宙で動画を撮影してみました。」(古川宇宙飛行士X(Twitter)

9月12日の宇宙の日にあわせてビデオレポートを送ってくれました。 「きぼう」の窓からの景色と一緒にお楽しみください。

古川宇宙飛行士X(Twitter)より

「無重力による体液シフトにより、顔が丸くなりました。元々丸顔なのですが、さらに丸くなっているのが分かると思います。」(古川宇宙飛行士X(Twitter)

今回は、宇宙酔いはほとんどないと言っていた古川宇宙飛行士ですが、体液が上半身に移動するして顔が丸く見える「ムーンフェイス」にはなったようです。今後も、宇宙での体の変化などの情報を、医師ならではの視点でレポートしてくれるかもしれませんね。

今回のレポートはここまでです。次回のレポートは、10月12日(木)頃を予定しています。古川宇宙飛行士の今後のISSでの活動をお楽しみに。

※本文中の日時は全て日本時間

JAXA 有人宇宙技術部門 Humans in Space人類の
未知への挑戦を。