Reportレポート若田宇宙飛行士の活動レポート 35

若田宇宙飛行士のミッション報告会 in ヒューストン

ミッション報告会の様子(Image by JAXA/NASA)

2023年12月6日、国際宇宙ステーション(ISS)の最初の2つのモジュール、Zarya(ザーリャ)とUnity(ユニティ)が宇宙で結合された記念日に、米国テキサス州ヒューストンのジョンソン宇宙センターに隣接するスペース・センター・ヒューストンで若田 宇宙飛行士および長期滞在を共にしたNASA宇宙飛行士3名(計4名)でミッション報告会が開催されました。

このミッション報告会の正式名称は『Crew 5 and Expedition Crew Debrief and Awards Ceremony』。SpaceX社のクルードラゴンにより打上がり、帰還したCrew 5クルーの若田宇宙飛行士、ニコール・マン宇宙飛行士(NASA)、ジョッシュ・カサダ宇宙飛行士(NASA)に加え、同じ時期にロシアのソユーズ宇宙船にてISSに滞在していたNASAのフランク・ルビオ宇宙飛行士によるミッション報告の他、ミッションを計画し、実行した数々のNASA職員の表彰式が行われました。若田宇宙飛行士には、その宇宙開発への貢献及び長期滞在への貢献を称え、“Public Service Medal”と“Space Exploration Medal”がJAXAの酒井 純一ISSプログラムマネージャー及びNASAのCommercial Crew Programのスティーブ・スティッチ氏より授与されました。

ミッション報告ではダイジェスト映像が流れる中、宇宙飛行士たちが順番にそれぞれの宇宙でのエピソードを説明。若田宇宙飛行士からも宇宙で実験を行う重要性などが説明されました。

その後のQ&Aのコーナーでは、若田宇宙飛行士は自身が行った宇宙での水再生装置のデモンストレーションについて触れ、人類が月や火星へ行くためにISSが今後もとても重要な試験の場であることを触れていました。

「宇宙での余暇の過ごし方」に関する質問については、一緒にいたクルーたちが料理上手で、「ものが浮いてしまう」宇宙空間で器用にピザに具を乗せたり、ハチミツなどを使ってきれいに重ねたケーキで誕生日を祝ったりしていたことなども紹介し、来場者を楽しませていました。

このミッション報告会でおもしろかったエピソードの一つとしては、宇宙での植物実験に関する話があります。将来に向け、宇宙で新鮮な野菜を育てる実験の一つとしてミニトマト(dwarf tomato)を栽培していたのですが、最初の収穫の時に地上へ帰還させるためにファスナー付きのビニール袋に入れたトマトがISSの中で行方不明になったことを紹介。通常、ISSの中でものが無くなった場合、空気の流れからだいたい決まった場所にたどり着き、見つけられるはずのところ、この実験を担当していたフランク・ルビオ飛行士が若田宇宙飛行士たちに遅れてソユーズで帰還するタイミングになっても見つからなかったことが紹介されました。「トマトはいまだに見つかっていないと聞いている」と話されたタイミングで、来場していたNASA職員の方から「今日見つかったと報告があった!」と伝えられ、約14か月ぶりにトマトが見つかったことに喜びの声が上がりました。

このイベントは一般の方に加え、NASAで実際にミッションをサポートされている方も多数参加しており、会場は満席。とてもフレンドリーな雰囲気の中、宇宙飛行士だけでなく、ミッションを成功に導く地上でミッションを計画、実行するスタッフたちも表彰され、アメリカがチームとして有人宇宙開発を行っていることをとても感じることができました。

レポート:ヒューストン駐在員事務所 山方

JAXA 有人宇宙技術部門 Humans in Space人類の
未知への挑戦を。

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