Reportレポート若田宇宙飛行士の活動レポート 16

若田光一宇宙飛行士が岸田内閣総理大臣と軌道上から交信を行いました!

地上との交信を行う若田宇宙飛行士(Image by JAXA/NASA)

12月16日、若田光一宇宙飛行士が滞在中の国際宇宙ステーション(ISS)と首相官邸特設スタジオをつなぐISS交信が行われました。参加いただいたのは、岸田総理大臣、永岡文部科学大臣、高市宇宙政策担当大臣、そして第3回「きぼう」ロボットプログラミング競技会(Kibo Robot Programming Challenge :Kibo-RPC)に日本代表として参加した東京工業大学の学生5名です。進行役は昨年4月から11月までISSに長期滞在した星出彰彦宇宙飛行士が務めました。岸田総理大臣他、ご参加の皆様からは、ミッション遂行中の若田宇宙飛行士へのねぎらいの言葉と質問が寄せられました。
質疑応答の一部をご紹介します。

首相官邸特設スタジオの様子(Image by JAXA)

岸田総理大臣・質疑応答(抜粋/要約)

—ISSや国際宇宙探査の意義や、その中での日本の役割、日本の強みについて若田さんはどうお考えですか?

先月、日本政府として2030年までのISS運用延長への参加を決定頂きました。ISSはわが国の宇宙活動を進める中で唯一の有人プラットフォームとして、科学利用、宇宙活動に必要な技術の開発や実証のみならず、さまざまな社会的な課題の解決、教育、人材育成、さらにはSDGsへの貢献など大きな意義がたくさんあると思います。また、ISSを通してわが国が獲得した有人滞在技術や物資輸送技術を高めていくことによって、アルテミス計画という多国間協力による大規模な国際宇宙探査計画に日本が参加することにもつながりました。アルテミス計画への参加を通して、日本は優位性の高い技術、波及性の高い技術を新たに獲得したり、さらにそれを高めたりする機会を得られたと思います。ここにも大きな意義があり、国際プレゼンスの向上、国際協力へのさらなる貢献にも繋がっていくと思います。

首相官邸特設スタジオの様子(Image by JAXA)

永岡文部科学大臣・質疑応答(抜粋/要約)

—現在、月探査を踏まえた新しい宇宙飛行士の選抜が行われています。次の世代の宇宙飛行士と、どのような宇宙開発を行っていきたいですか?

新たな宇宙飛行士候補者の募集選抜に関しては4,127名の応募をいただき、国民のみなさんからの有人宇宙活動についての高い関心を感じているところです。日本がこれから、ISSから先の月、火星へと有人宇宙活動を広げていく中で、新しい世代の宇宙飛行士の皆さんとさまざまなことに果敢に挑戦していきたいと思っています。これまで私も宇宙飛行の経験をさせていただきましたので、それを若い世代の宇宙飛行士と共有したいと思いますが、逆に若い世代の宇宙飛行士たちが持っている豊かな創造性、思いもよらないようなアイデアを大切にしながら、お互いに刺激し合って進んでいければと思っています。

高市宇宙政策担当大臣・質疑応答(抜粋/要約)

—安全に宇宙を開発・利用するためには、わが国もスペースデブリの対策に真剣に取り組む必要があると思っていますが、若田さんがISSに滞在されていて、デブリが衝突しそうになった経験はおありでしょうか?また、スペースデブリ対策についてのお考えがあれば教えてください。

幸運なことに私がISSに滞在している時は、デブリ衝突に遭遇することはありませんでした。有人宇宙活動を持続的に進めていくためには、デブリ対策は待ったなしの重要な課題だと思っています。日本ではJAXAだけでなく、さまざまな民間企業もデブリ対策のための技術開発を進めています。しかし、この課題は一国だけで解決できるものではなく、国際協力が必要ですし、国際的なルールづくりも重要だと思いますので、官民一体となって取り組んでいく必要がある重要な課題だと認識しています。

東京工業大学「Space Lark」Kibo-RPC日本代表・質疑応答(抜粋/要約)

—今後、宇宙旅行が普及して、宇宙飛行士でなくても宇宙に行ける機会が増えていくと思います。そのような時代における宇宙飛行士の存在意義について、若田さんのお考えを聞かせてください。

私たちのような宇宙飛行を職業とする宇宙飛行士や各国政府の活動によって有人宇宙活動が安全に進められる状態になり、民間の皆さんが宇宙を利用したり、宇宙に行ったりできる時代になったことは大変喜ばしいことだと思います。この時代に、今後、職業宇宙飛行士が果たしていかなければならない役割は、リスクの大きいフロンティアの探求、人類の活動領域を地球低軌道からその先に進めていく活動に果敢に挑戦していくことだと思っています。

最後に、ISS長期滞在の任務成功に向けて、岸田総理大臣から「日本は、アメリカなど諸外国と協力しながらISSを活用しつつ、アルテミス計画に参画しています。日本人宇宙飛行士の活躍の場をより広げてもらいたいと願っています。」とメッセージを受けた若田宇宙飛行士は「各国の宇宙飛行士の仲間、そして筑波をはじめ、世界各国の運用管制チームとの連携を緊密に保ち、チームワークそして「和」の力でミッションを成功させて、ISSの利用成果を最大化できるように尽力していきたいと思います。これから日本人宇宙飛行士も地球低軌道のISS、さらにその先の月、火星へと、アルテミス計画を通して、人類の活動領域の新たな拡大に貢献するために任務にあたっていきます。」と力強く語りました。

首相官邸特設スタジオの様子(Image by JAXA)

若田宇宙飛行士のISS長期滞在もいよいよ後半に入ります。新たな実験など、活動は多忙ですが、後半のミッション遂行を応援してください!

なお、今回のISS交信の様子はYouTubeでアーカイブ配信しています。

URL:https://youtu.be/iIVpzL4XkIA

※本文中の日時は全て日本時間

JAXA 有人宇宙技術部門 Humans in Space人類の
未知への挑戦を。

ポスター・等身大パネル・プレスキットをダウンロードいただけます。