Report & News大西宇宙飛行士の活動レポート&ニュース

大西宇宙飛行士 軌道上活動レポート Vol.4(4/21〜5/6)

国際宇宙ステーション(ISS)も、地上と同じように土日休みの週休2日制になっています。しかし、実施時間に制約のある実験を行うときなどは、週末に関係なく作業を進めます。地上のスタッフも24時間3シフト体制でサポートします。今回は、そのような実験も実施しました。
それでは、この期間で行われた大西卓哉宇宙飛行士の活動の一部を紹介します。

4月21日から22日にかけて、「細胞の重力センシング機構の解明(Elucidation of gravisensing mechanism in single cells: Cell Gravisensing)」実験の準備として、実験手順を確認しました。Cell Gravisensing実験は、細胞が微小重力を感知するしくみを解き明かすことを目的にしたものです。

また、4月21日に大西宇宙飛行士による特別授業『宇宙校外学習』を、愛媛県の済美高校で開催しました。大西宇宙飛行士は、「きぼう」日本実験棟から、微小重力という宇宙環境ならではの特徴を実践してみせながら、分かりやすく解説を行いました。詳細はこちらです。

大西宇宙飛行士による特別授業『宇宙校外学習』を、済美高校(愛媛県)で開催しました!

4月22日21時40分に、ドラゴン補給船運用32号機(SpX-32)がISSとドッキングしました。ドッキング後、SpX-32のハッチが開けられると、大西宇宙飛行士は他のクルーと協力し、搭載されていた荷物をISSに移動させました。

4月22日から23日にかけて、「火災安全性向上に向けた固体材料の燃焼現象に対する重力影響の評価(Fundamental Research on International Standard of Fire Safety in Space -base for safety of future manned mission: FLARE)」実験を実施しました。FLARE実験は、固体燃焼実験装置(Solid Combustion Experiment Module: SCEM)を使用し、微小重力環境での様々な材料の燃焼性を調べるものです。

4月23日から30日にかけて、Cell Gravisensing実験が実施されました。Cell Gravisensing実験では、大西宇宙飛行士ら、ISSクルーが試料となる細胞を培養し、化学固定した後、ライブイメージングシステム(Confocal Space Microscopy: COSMIC)にセットします。そして、COSMICを通して地上から試料を観察するのです。ISSクルーと地上のスタッフ、研究者が協力しながら実験を進め、期間中、試料の観察が合計7回実施されました。

Cell Gravisensing実験に関する作業を行う大西宇宙飛行士(Image by JAXA/NASA)

4月24日に、「きぼう」搭載用ポータブル極低温冷凍冷蔵庫(FROST2)に試料をセットし、20℃で実施するタンパク質結晶実験(Moderate Temperature Protein Crystal Growth:MT PCG)を開始しました。MT PCGは温度を20℃に保ちながらタンパク質結晶を成長させる実験で、今回は14のタンパク質結晶を成長させています。

4月30日は、地上からInt-Ball2にソフトウェアをセットし、その結果を確認しました。

5月1日、アン・マクレイン宇宙飛行士とニコール・エアーズ宇宙飛行士が船外活動(Extravehicular activity: EVA)を実施しました。このEVAでは、大西宇宙飛行士とジョニー・キム宇宙飛行士が船内でのサポート役を務めました。

5月3日、大西宇宙飛行士がEVA実施翌日の業務の様子をSNSに投稿しました。

「昨日の余韻と疲れが残るなか、今朝はみんなで少し朝寝坊させてもらってから、ISSの日常が戻って来ました。
AnneとNicholeは宇宙服のメンテナンス、私はきぼうのNASAラックに収納されている生命科学用グローブボックスでの初タスク。
結構質量があるので、力が入る体勢を取らないと上手く引けません。」大西宇宙飛行士X(Twitter)

5月6日、大西宇宙飛行士がISSでのひとこまをSNSに投稿しました。

「あなたならどの靴下選びますか?」大西宇宙飛行士X(Twitter)

キューポラで、履いた靴下を揃えるクルーメンバーたち(Image by JAXA/NASA)

ISSに滞在している7人のクルーが映画「スターウォーズ」に登場するキャラクターの靴下を履いています。クルーの仲の良さを伺わせますね。

今回のレポートはここまでです。
次回のレポートは、5月下旬を予定しています。

※本文中の日時は全て日本時間

JAXA 有人宇宙技術部門 Humans in Space人類の
未知への挑戦を。

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