Report & News大西宇宙飛行士の活動レポート&ニュース

大西宇宙飛行士 軌道上活動レポート Vol.3(4/7〜4/20)

大西卓哉宇宙飛行士が国際宇宙ステーション(ISS)の船長(コマンダー)に就任しました。若田光一宇宙飛行士、星出彰彦宇宙飛行士に次ぎ、日本人で3番目となります。宇宙開発での日本の存在感がますます高まっていくことでしょう。この期間で行われた大西宇宙飛行士の活動の一部を紹介します。

4月7日、ライブイメージングシステム(Confocal Space Microscopy: COSMIC)の機能確認の準備をしました。COSMICは、細胞が微小重力を感知するしくみを探る「細胞の重力センシング機構の解明(Cell Gravisensing)」実験の第3期運用に使用されます

4月8日、Cell Gravisensing実験の準備として、細胞培養装置(Cell Biology Experiment Facility: CBEF)庫内の清掃と写真撮影をしました。その後、地上からの操作でCBEFの乾燥運転を実施しました。

この日の14時47分に、ソユーズMS-27宇宙船(73S)がカザフスタン共和国 バイコヌール宇宙基地から打ち上げられ、17時57分にISSとドッキングしました。セルゲイ・リジコフ宇宙飛行士、アレクセイ・ズブリツキー宇宙飛行士、ジョニー・キム宇宙飛行士が合流し、ISSクルーは10名になりました。

合流したリジコフ宇宙飛行士を迎える大西宇宙飛行士(Image by JAXA/NASA)

4月9〜14日は、様々な装置や機器の不具合に対処しました。

4月13日に、大西宇宙飛行士がSNSにISSでの生活のひとこまを投稿しました。

「今日はヘアカットデー💇‍
ニコル(@Astro_Ayers)が散髪してくれました。掃除機で吸い込みながらバリカンと、仕上げにはハサミで丁寧に仕上げてくれました。もみあげどうする?って聞かれたのも、前回のバーバーアナトーリとは違うきめ細やかさでした🤣すっきりしてシャンプーも楽になりそうです。」大西宇宙飛行士X(Twitter)

4月15日、静電浮遊炉(Electrostatic Levitation Furnace: ELF)の試料ホルダを交換し、その後、地上からELFの機能確認をしました。

ELFの作業を行う大西宇宙飛行士(Image by JAXA/NASA)

4月16日、大西宇宙飛行士とキム宇宙飛行士が連携して、「きぼう」エアロックスライドテーブルから、ロボットアームの子アーム(Small Fine Arm: SFA)を取り付ける機構(SFA Attachment Mechanism: SAM)を取り外し、「きぼう」軌道上交換ユニット移動インターフェース(JEM ORU Transfer Interface:JOT)を取り付けました。大西宇宙飛行士は、さらにアジアントライゼロG 2025の準備として物品確認をしました。

4月18日、Cell Gravisensing実験準備の一環として、給水した加湿器をCBEFに取り付けました。さらに、JEM船内可搬型ビデオカメラシステム実証2号機(Internal Ball Camera2: Int-Ball2)の運用に向けて軌道上コンピュータの交換をし、地上からInt-Ball2を起動しました。

この日は、ISS船長(コマンダー)の交代セレモニーが行われ、大西宇宙飛行士がISS船長に就任しました。

ISS船長の証明である「鍵」を受け取る大西宇宙飛行士(Image by JAXA/NASA)

4月19日に、大西宇宙飛行士がISS船長就任についてSNSに投稿しました。

「今日の終わりにChange of Commandセレモニーがあり、ロシアのアレクセイ・オブチニン飛行士からISSの指揮権を継承しました。明日のソユーズアンドッキングから正式に始まる第73次長期滞在に先駆けて、ISSコマンダーに就任しました。チーム全員で力を合わせて、これからも頑張っていきます!」大西宇宙飛行士X(Twitter)

就任式の様子は、こちらの活動レポートでお読みいただけます。

4月20日、アレクセイ・オブチニン宇宙飛行士、イヴァン・ヴァグナー宇宙飛行士、ドナルド・ペティット宇宙飛行士が搭乗したソユーズMS型26号機(72S)が6時56分にISSから離脱し、10時20分に地上に到達しました。ISSクルーは再び7名になりました。

今回のレポートはここまでです。
次回のレポートは、5月中旬を予定しています。

※本文中の日時は全て日本時間

JAXA 有人宇宙技術部門 Humans in Space人類の
未知への挑戦を。

ポスターをダウンロードいただけます。