野口宇宙飛行士4度目の船外活動(EVA)へ!
国際宇宙ステーション(ISS)に長期滞在中の野口宇宙飛行士は、NASA宇宙飛行士のキャスリーン・ルビンズと共に、2021年3月5日午後9時ごろ(日本時間)から6時間半にわたり予定されている自身4回目の船外活動(EVA)に挑みます!2021年1月から実施されている連続4回の船外活動のうち、最後の船外活動を担当します。
野口宇宙飛行士は、自身最初の宇宙飛行のSTS-114ミッションにおいて、3回の船外活動を経験しており、合計20時間5分の船外活動記録を持っています。これまで、日本人宇宙飛行士で船外活動を行ったのは、土井宇宙飛行士・野口宇宙飛行士・星出宇宙飛行士・金井宇宙飛行士の4人ですが、今回の船外活動で、星出宇宙飛行士が持つ、EVA日本人最長記録を塗り替えることになります!
今回の船外活動では、野口宇宙飛行士は主に以下の作業を担当します。
ISS船外搭載機器排熱用アンモニア充填装置の配管接続変更
S6トラスにおいてアンモニア漏洩の兆候が見られることから、将来のS6トラスでのアンモニア充填作業に使用するため、P6トラス上の2Bチャンネル太陽電池パドル熱制御システム上に設置されたままとなっている2本の初期アンモニア充填装置のジャンパー(Early Ammonia Servicer Jumper EAS Jumper) の1本を回収し、ジョイントエアロック外壁に保管する作業を実施します。
新型太陽電池アレイ設置に向けた架台取付け<新規システムの設置>
劣化により出力の落ちてきた太陽電池の出力を補完するため、新規の太陽電池アレイの取り付けの準備として新規太陽電池アレイ(IROSA)の架台を4B太陽電池アレイの根本に取り付けます。
船外活動作業に向けた安全テザーの接続変更
これまでの作業で使用した機器の片づけおよび、この後に実施する船外活動の作業に向けて安全テザーの取り付け位置を変更します。
船外のワイヤレス通信用機器の交換
Node1に設置されているワイヤレスビデオ送受信機(WETA)がロシアの EVA#47(2020年11月18日実施)の最中に故障したことから、今後のロボティクス運用や船外活動のモニタに利用するために交換を行います。
無線LANアクセスポイント増設に向けたイーサネットケーブル配線
ペイロードに対してWireless Access Points(WAP)を提供するため、Z1トラスとS0トラスが接続されているS0トラスの前方側(俗称:Rat's Nest(ネズミの巣))より、P1/P3トラスの天頂側のカメラポート9番(CP9)までイーサネットケーブルの配線を実施します。
船外活動は、過酷な宇宙環境の中、およそ6時間半に及ぶ長時間の作業を行う非常に危険な任務です。野口宇宙飛行士たちは、船外活動を成功させるため、訓練を重ね、十分な準備を整えてきています。
さらに詳しく知りたい方のために、船外活動に関わる解説番組(日本語)を放送配信いたしますので、ぜひこちらもチェックしてくださいね!
- 放送配信予定日時:3月4日(木) 午後6時0分頃~(10分程度)
- 解説:JAXA有人宇宙技術部門 金井宣茂宇宙飛行士、島村宏之運用管制官(EVA担当)
さらに、本船外活動の模様は、NASA TVでライブ中継されますので、野口宇宙飛行士のEVAの様子をみんなで応援しましょう!
- 放送予定日時:3月5日(金) 午後7時30分~