Report & News大西宇宙飛行士の活動レポート&ニュース

大西宇宙飛行士 軌道上活動レポート Vol.2(3/22〜4/4)

国際宇宙ステーション(ISS)での2度目の生活をスタートさせた大西卓哉宇宙飛行士。そろそろISSの環境や仕事などにも慣れてきた頃でしょうか。この期間で行われた大西宇宙飛行士の活動の一部を紹介します。

3月24日、地上から多目的実験ラック2(Multi-purpose Small Payload Rack2: MSPR2)を起動し、静電浮遊炉(Electrostatic Levitation Furnace: ELF)で「静電浮遊法を⽤いた鉄鋼精錬プロセスの基礎研究〜⾼温融体の熱物性と界⾯現象〜(Interfacial Energy)」実験を実施しました。この実験では、高い品質の鉄鋼製品を生産するために必要不可欠な、界面張力の特性やメカニズムを明らかにします。

この日は、大西宇宙飛行士がSNSに、ソユーズ宇宙船の写真を投稿しました。

「ソユーズMS型26号機(来月地球へ帰還予定)
クルードラゴンはとてもスタイリッシュな宇宙船ですが、私はソユーズのこの無骨なデザインも好きです。だんご3兄弟のようなフォルムも味わいがあります。前回のフライトで搭乗したのが、このMS型初号機だったからという愛着もあるかもしれません。」大西宇宙飛行士X(Twitter)

3月25日、アン・マクレイン宇宙飛行士がJEM船内可搬型ビデオカメラシステム実証2号機(Internal Ball Camera2: Int-Ball2)を起動し、翌日に予定されている機能確認の準備をしました。また、前日から実施されていたInterfacial Energy実験が終了しました。

3月26日、筑波宇宙センターの「きぼう」運用管制室と接続し、オンライン会議に出席しました。そして、Int-Ball2の障害物回避実証の前段階として、経路を指定した飛行確認を行いました。さらに、地上からMSPR2を起動し、Interfacial Energyが再び実施されました。

Int-Ball2の飛行確認を行う大西宇宙飛行士(Image by JAXA/NASA)

3月27日、前日から実施されていたInterfacial Energy実験が終了しました。

3月28日、ドナルド・ペティット宇宙飛行士、ニコル・エアーズ宇宙飛行士が、「きぼう」エアロック内に入っていた米国NanoRacks社の船外実験装置を「きぼう」船内に入れ、スライドテーブルから取り外しました。その後、大西宇宙飛行士も加わり、実験装置をNanoRacks社のエアロックに収納しました。この日の19時55分にシグナス補給船運用21号機(NG-21)がISSから離脱しました。

シグナス補給船の間にある連結部内でNG-21の離脱作業を行っている大西宇宙飛行士ら(Image by JAXA/NASA)

3月31日、地上からMSPR2を起動し、Interfacial Energyが再び実施されました。

4月1日、「きぼう」ロボットアームの子アーム(Small Fine Arm: SFA)を「きぼう」船内に搬入する準備として、「きぼう」エアロックのスライドテーブルに子アーム取付機構(SFA Attachment Mechanism: SAM)を設置しました。

最後に、4月2日は大西宇宙飛行士が、SAMの設置についてSNSに投稿しました。

「今日は「きぼう」エアロックのスライドテーブルに、アダプターを取り付ける作業を行いました。今度、子アームを船内に搬入する予定があるので、それに向けた準備です。
途中、使用予定だった工具が見つからないなどのトラブルもありましたが、地上の仲間と連係して無事に取り付けることができました。」大西宇宙飛行士X(Twitter)

エアロックスライドテーブルへの子アーム取付機構設置作業中に地上と交信する大西宇宙飛行士

今回のレポートはここまでです。
次回のレポートは、4月末を予定しています。

※本文中の日時は全て日本時間

JAXA 有人宇宙技術部門 Humans in Space人類の
未知への挑戦を。

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