野口宇宙飛行士ウィークリーレポート Vol.10(1/29~2/4)
野口宇宙飛行士が宇宙に飛び立ってから、まもなく3カ月。週に一度お届けしているレポートも第10回となりました。では、今週も最新の野口宇宙飛行士の様子をお届けしましょう。
2月1日に予定された第2回の船外活動(Extravehicular Activity: EVA)に向けて、サポートを行う野口宇宙飛行士とキャスリーン・ルビンズ宇宙飛行士は、船外活動を実施するマイケル・ホプキンス宇宙飛行士、ビクター・グローバー宇宙飛行士とともに、EVA手順の確認や宇宙服の点検、地上管制チームとの準備状況の打合せを行いました。
EVA当日は、野口宇宙飛行士とキャスリーン・ルビンズ宇宙飛行士が、カナダアーム2(Space Station Remote Manipulator System: SSRMS(Canadarm2))を操作し、EVAの支援を行いました。
EVA翌日以降は、第1回、第2回のEVAを終えた2人と、サポート役の野口宇宙飛行士らは、EVA時の懸念事項や問題点などを地上スタッフに説明するためのミーティングを行い、また野口宇宙飛行士とシャノン・ウォーカー宇宙飛行士は、使用した宇宙服の整備を行いました。
また、これから国際宇宙ステーション(ISS)に到着する補給船を迎える準備として、「きぼう」日本実験棟内の物品整理、また、経済産業省が開発、JAXAが運用支援を実施している「HISUI」のミッションデータレコーダー(Mission Data Recorder:MDR)のハードディスクドライブ交換作業も行いました。
【関連トピックス】
- 宇宙実証用ハイパースペクトルセンサ「HISUI」が「きぼう」船外実験プラットフォームへ設置されました(2019年12月13日)
- 宇宙実証用ハイパースペクトルセンサ「HISUI」から初画像が届きました(2020年9月29日)
さて、今日は最後にとっておきの最新情報をお伝えします。
野口宇宙飛行士が搭乗したクルードラゴン宇宙船(Crew-1)が、今日、ある記録を塗り替えました。
みなさんは「スカイラブ(Skylab)」はご存知でしょうか。1973年から1979年まで運用された、米国が初めて打ち上げた宇宙ステーションです。スカイラブ計画では3回の有人飛行が行われ(スカイラブ2~4号)、いずれもカプセル型有人宇宙船のアポロ指令・機械船が使われました。月面着陸を行ったアポロ計画でも使用された有人宇宙船です。スカイラブ4号では1973年11月16日から1974年2月8日まで、84日間の宇宙滞在を実現し、これが長らく、"米国製"カプセル型有人宇宙船の宇宙滞在最長記録でした。
奇しくも、スカイラブ4号と同じ「11月16日」にISSにドッキングしたCrew-1は、本日2月8日、47年ぶりにスカイラブ4号の宇宙滞在記録を塗り替えました。野口宇宙飛行士は、Crew-1の仲間とともにこの記念すべき日を祝う様子をツイッターに載せています。
【関連リンク】
- スカイラブ計画(英語サイト)
- J-FLIGHTツイッター